【FP解説】フリーランス向け退職金制度「小規模企業共済」とは







フリーランスの老後資金|小規模企業共済とiDeCo活用術

フリーランスに退職金はない!小規模企業共済とiDeCoで老後資金を準備【FPが解説】

「フリーランスは自由でいいけど、将来のお金が心配…」
「会社員と違って、退職金もないし、年金も少ないって聞くけど…」
「老後資金、どうやって準備すればいいの?」

会社員や公務員と違い、フリーランスには退職金がありません。
また、国民年金のみに加入している場合、厚生年金に加入している会社員と比べて、将来受け取れる年金額も少なくなってしまいます。

そのため、フリーランスは、自分で老後資金を準備する必要があります。
しかし、「何から始めればいいのか分からない」「どんな制度があるのか知らない」という方も多いのではないでしょうか。

この記事では、フリーランスの老後資金準備に役立つ「小規模企業共済」と「iDeCo(個人型確定拠出年金)」について、橿原市のFPである私、金川が分かりやすく解説します。
それぞれの制度のメリット・デメリット、活用方法、注意点などを理解し、あなたに合った老後資金準備を始めましょう!

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「老後資金、いくら必要?」「小規模企業共済とiDeCo、どっちがいい?」
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会社員と違う! フリーランスの老後資金

会社員とフリーランスでは、老後資金を取り巻く状況が大きく異なります。

フリーランスは国民年金のみ(厚生年金がない)

日本の公的年金制度は、2階建て構造になっています。

  • 1階部分: 国民年金(基礎年金)… 日本国内に住む20歳以上60歳未満のすべての人が加入
  • 2階部分: 厚生年金… 会社員や公務員などが加入

フリーランス(自営業者など)は、原則として国民年金のみに加入します。
そのため、厚生年金にも加入している会社員と比べて、将来受け取れる年金額が少なくなる傾向にあります。

退職金がない

会社員には、退職金制度がある場合が多いですが、フリーランスには退職金がありません。
そのため、老後資金は自分で準備する必要があります。

老後資金は自分で準備する必要がある

フリーランスは、会社員と比べて、公的年金が少なく、退職金もないため、老後資金を自分で準備する必要があります。
「まだ若いから」「今は仕事が忙しいから」と後回しにせず、早めに準備を始めることが大切です。

【データ】フリーランスの老後資金に関するアンケート、統計など

生命保険文化センターの調査によると、「ゆとりある老後生活」を送るためには、月額平均37.9万円が必要と考えられています。しかし、これはあくまで平均的な会社員のケースです。退職金がなく、国民年金のみに加入するフリーランスの場合は、さらに多くの老後資金を準備する必要があるでしょう。

(出典:生命保険文化センター「令和4年度 生活保障に関する調査」)

フリーランスの味方! 小規模企業共済とは?

「退職金がないなら、どうやって老後資金を準備すればいいの?」
そんなフリーランスの方におすすめしたいのが、「小規模企業共済」です。

小規模企業共済の制度概要(国の退職金制度)

小規模企業共済は、国が作った、小規模企業の経営者や個人事業主のための退職金制度です。
毎月一定額の掛金を積み立て、退職時や廃業時に共済金を受け取ることができます。

加入資格

小規模企業共済に加入できるのは、以下のいずれかに該当する方です。

  • 常時使用する従業員が20人以下(商業・サービス業では5人以下)の個人事業主または会社の役員
  • 事業に従事する組合員の数が20人以下の企業組合の役員
  • 常時使用する従業員数が20人以下の協業組合の役員
  • 常時使用する従業員数が20人以下であって、農業の経営を主として行っている農事組合法人の役員
  • 常時使用する従業員が5人以下の弁護士法人、税理士法人等の士業法人の社員
  • 上記に該当する個人事業主が営む事業の経営に携わる共同経営者(個人事業主1人につき2人まで)

掛金

  • 毎月の掛金は、1,000円から70,000円の間で、500円単位で自由に選べます。
  • 掛金は、全額が所得控除の対象となるため、大きな節税効果があります。
  • 加入後も、掛金は増額・減額できます(減額には一定の要件あり)。

給付(共済金)

退職時、廃業時、または65歳以上で180か月以上掛け金を払い込んだ場合などに、共済金を受け取ることができます。
共済金の種類には、共済金A、共済金B、準共済金、解約手当金があります。

税制上のメリット

  • 掛金: 全額が所得控除の対象となり、所得税・住民税が軽減されます。
  • 共済金(一括受取): 退職所得扱いとなり、退職所得控除が適用されます。
  • 共済金(分割受取): 公的年金等の雑所得扱いとなり、公的年金等控除が適用されます。

貸付制度

加入者は、積み立てた掛金の範囲内で、事業資金などの貸付を受けることができます(低金利)。

デメリット、注意点

  • 加入資格に該当しない場合は、加入できません。
  • 掛金を12か月以上滞納すると、契約が解除される場合があります。
  • 6か月未満で任意解約した場合は、掛け捨てになります。
  • 12か月未満で任意解約した場合は、掛金合計額を下回ります。
  • 共済金は、受取時に課税対象となります(ただし、税制上の優遇措置あり)。

iDeCo(個人型確定拠出年金)も活用しよう

フリーランスの老後資金準備には、iDeCo(個人型確定拠出年金)もおすすめです。

iDeCoの制度概要(自分で作る年金)

iDeCoは、自分で掛金を拠出し、自分で運用方法を選び、60歳以降に年金または一時金として受け取る、私的年金制度です。

掛金

  • 掛金は、月額5,000円から、1,000円単位で自由に設定できます。
  • 掛金の上限額は、働き方によって異なります。
    • フリーランス(国民年金の第1号被保険者): 月額68,000円(国民年金基金と合算)
    • 会社員(国民年金の第2号被保険者): 勤務先の企業年金制度等によって異なる(月額12,000円~55,000円)
    • 専業主婦(夫)(国民年金の第3号被保険者): 月額23,000円
  • 掛金は、全額が所得控除の対象となり、所得税・住民税が軽減されます。

運用

  • iDeCoで運用できる商品は、金融機関によって異なりますが、定期預金、保険、投資信託などがあります。
  • 運用益は非課税です。
  • 運用は自己責任です。

受取

  • 原則として60歳以降に、年金または一時金、あるいはその両方を組み合わせて受け取ることができます。
  • 受取時にも、税制上の優遇措置があります(「退職所得控除」または「公的年金等控除」)。

税制上のメリット

  • 掛金: 全額が所得控除の対象となり、所得税・住民税が軽減されます。
  • 運用益: 非課税です。
  • 受取時: 退職所得控除または公的年金等控除が適用されます。

デメリット、注意点

  • 原則60歳まで引き出すことができません。
  • 運用は自己責任です(元本割れのリスクがあります)。
  • 口座管理手数料がかかります。

小規模企業共済 vs iDeCo どっちがお得?

小規模企業共済とiDeCoは、どちらもフリーランスの老後資金準備に有効な制度ですが、それぞれ特徴が異なります。

掛金上限額の比較

  • 小規模企業共済: 月額70,000円(年額84万円)
  • iDeCo: 月額68,000円(年額81.6万円、国民年金基金と合算)

所得控除額の比較

  • どちらも掛金全額が所得控除の対象

運用方法の比較

  • 小規模企業共済: 運用は中小機構が行う(加入者は運用方法を選べない)
  • iDeCo: 自分で運用商品を選ぶ

受取時の税制の比較

  • どちらも税制優遇あり
  • 小規模企業共済:
    • 一括受取:退職所得控除
    • 分割受取:公的年金等控除
  • iDeCo:
    • 一時金:退職所得控除
    • 年金:公的年金等控除

【図表】小規模企業共済とiDeCoの比較表

比較項目小規模企業共済iDeCo
目的事業主の退職金老齢給付
根拠法小規模企業共済法確定拠出年金法
任意加入
加入資格小規模企業の経営者・役員、個人事業主など20歳以上65歳未満の国民年金被保険者
掛金月額1,000円~70,000円(500円単位)月額5,000円~(1,000円単位)、上限額は働き方によって異なる
掛金の所得控除全額所得控除全額所得控除
運用中小機構が運用自分で商品を選んで運用
運用益運用益は共済金に反映運用益は非課税
受取方法一括、分割、またはその併用一時金、年金、またはその併用
受取時の税制一括:退職所得控除、分割:公的年金等控除一時金:退職所得控除、年金:公的年金等控除
途中解約可能(ただし、加入期間によっては元本割れ)原則60歳まで引き出し不可
貸付制度あり(掛金の範囲内)なし

併用は可能?

小規模企業共済とiDeCoは、併用可能です。
両方加入することで、より多くの掛金を所得控除でき、節税効果を高めることができます。

国民年金基金、付加年金も検討しよう

フリーランス(自営業者など)は、国民年金基金や付加年金に加入することで、将来受け取る年金額を増やすことができます。

  • 国民年金基金

    • 国民年金基金は、国民年金(老齢基礎年金)に上乗せして加入できる公的な年金制度です。
    • 掛金は全額所得控除の対象。
    • 加入は口数制で、将来受け取る年金額や掛金は、加入口数、加入時の年齢、性別によって決まる
    • 終身年金が基本
  • 付加年金について
    • 付加年金は、国民年金保険料に付加保険料(月額400円)を上乗せして納付することで、将来受け取る年金額を増やすことができる制度です。

【加入シミュレーション】年収・掛金別、節税効果は?

小規模企業共済とiDeCo、それぞれに加入した場合、どれくらいの節税効果があるのでしょうか?
具体的な年収と掛金額を設定し、所得控除額、節税額をシミュレーションしてみましょう(税率は簡略化のため一律で計算)。

【シミュレーション例1】年収400万円、小規模企業共済に月額2万円、iDeCoに月額2万円拠出する場合

  • 小規模企業共済の年間掛金: 2万円 × 12か月 = 24万円
  • iDeCoの年間掛金: 2万円 × 12か月 = 24万円
  • 合計所得控除額: 24万円 + 24万円 = 48万円
  • 節税額(所得税率10%、住民税率10%と仮定): 48万円 × 20% = 9.6万円

→ 年間9.6万円の節税!

【シミュレーション例2】年収600万円、小規模企業共済に月額7万円(上限)、iDeCoに月額23,000円拠出する場合

  • 小規模企業共済の年間掛金: 7万円 × 12か月 = 84万円
  • iDeCoの年間掛金: 2.3万円 × 12か月 = 27.6万円
  • 合計所得控除額: 84万円 + 27.6万円 = 111.6万円
  • 節税額(所得税率20%、住民税率10%と仮定): 111.6万円 × 30% = 約33.5万円

→ 年間約33.5万円の節税!

(注)上記の試算には、住民税の均等割は考慮されていません。また、所得税率は、課税所得に応じて変わります。正確な金額は、税理士等にご確認ください。

※上記はあくまで一例です。実際の節税額は、所得やその他の控除によって異なります。

【橿原市でFP相談】老後資金、働き方…プロに相談してみませんか?

フリーランスは、会社員と比べて、老後資金について自分で考え、準備しなければならないことが多くあります。「小規模企業共済とiDeCo、どちらがお得?」「自分に合った運用方法が分からない」「老後資金はいくら必要?」
そんな疑問やお悩みをお持ちの方は、ぜひFP(ファイナンシャルプランナー)にご相談ください。

FPは、家計管理、資産運用、税金、年金、保険など、お金に関する幅広い知識を持つ専門家です。あなたの状況やライフプランに合わせて、最適な老後資金準備プランを提案します。

FPに相談するメリット

  • 自分に合った老後資金準備の方法が分かる
  • 小規模企業共済やiDeCoの活用方法についてアドバイスがもらえる
  • 節税しながら老後資金を準備できる
  • 家計全体の見直しができる
  • 将来の不安を解消し、安心して生活できる

かながわFP相談所の強み

  • 橿原市に密着した地域密着型FP: 橿原市での生活経験が長く、地域の皆様の暮らしを深く理解しています。
  • 「徹底したヒアリング」と「オーダーメイドプラン」: お客様の状況やご希望をじっくり伺い、最適なプランを作成します。
  • 「分かりやすさ」と「安心感」: 専門用語をできるだけ使わず、分かりやすく説明します。強引な勧誘も一切ありません。
  • 初回相談無料

まとめ:フリーランスこそ、早めの老後資金対策を!

フリーランスは、会社員と比べて、公的年金が少なく、退職金もありません。そのため、老後資金は自分で準備する必要があります。小規模企業共済やiDeCoは、フリーランスが老後資金を準備するための、とても有効な手段です。これらの制度を上手に活用し、早めに老後資金対策を始めましょう。

「老後資金、いくら準備すればいい?」「小規模企業共済とiDeCo、どちらがお得?」「自分に合った運用方法が知りたい」そんな疑問やお悩みをお持ちの方は、ぜひ、お気軽に かながわFP相談所 にご相談ください。私、金川が、あなたの疑問や不安を解消し、豊かな老後を実現するためのサポートをいたします!

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監修者:かながわFP相談所 FP 金川

※この記事の情報は、2025年4月時点のものです。最新の情報は、中小機構やiDeCo公式サイト、厚生労働省のウェブサイトなどでご確認ください。

【免責事項】この記事は一般的な情報提供を目的としており、個別の状況によっては異なる場合があります。具体的なご相談は、FP等の専門家にご相談ください。

小規模企業共済(中小機構)

iDeCo公式サイト

厚生労働省 iDeCo


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