新NISAで一括投資か積立か迷ったら|NISAつみたて投資枠・成長投資枠の使い分けと2026年の年初一括戦略
2024年から始まった新しいNISA制度、皆さんはもう活用されていますか?「NISAつみたて投資枠」と「成長投資枠」、2つの非課税枠をどう使いこなせばいいのか、迷っている方も多いのではないでしょうか。
特に、「成長投資枠で、まとまったお金を一括投資するのと、毎月コツコツ積み立てるのと、どっちがお得なの?」という疑問は、多くの方が抱えているテーマだと思います。
そこで今回は、FP(ファイナンシャルプランナー)の金川が、一括投資と積立投資のメリット・デメリット、そして新NISAがスタートした2024年以降の相場環境も踏まえたうえで、あなたに合った投資戦略を解説します。
- 新NISA(NISAつみたて投資枠・成長投資枠)の基本がわかる
- 一括投資と積立投資の違いがイメージできる
- シミュレーションを通じて「数字」で比較できる
- あなたに合った投資方法を考えるヒントが得られる
ぜひ最後まで読んで、新NISAをあなたの味方につけてくださいね。
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新NISAの基本をおさらい
まずは、新NISAの基本を簡単におさらいしておきましょう。
新NISAには、「NISAつみたて投資枠」と「成長投資枠」の2つがあります。
- NISAつみたて投資枠:年間120万円まで。長期・分散投資に適した投資信託などに、コツコツ積み立てるのに向いた枠
- 成長投資枠:年間240万円まで。個別株・ETF・アクティブファンドなど、より幅広い商品に投資できる枠
非課税保有枠の上限
新NISAでは、生涯を通じて投資できる非課税保有枠の上限が1,800万円と決まっています。
- このうち、NISAつみたて投資枠は最大600万円
- 成長投資枠は最大1,200万円
成長投資枠の1,200万円は、あくまで全体1,800万円の内数である点に注意が必要です。
どちらの枠でも、投資から得た利益(配当金や売却益)が非課税になるのが最大のメリットです。
また旧NISAと違い、新NISAでは一度売却しても、売却した分の非課税保有枠が翌年以降に復活します(年間投資枠の範囲内)。
旧制度のような「ロールオーバー」はなくなり、売却 → 空いた枠で再投資というシンプルな仕組みになりました。
一括投資 vs 積立投資:メリット・デメリット徹底比較
それでは、本題の「一括投資」と「積立投資」について、それぞれのメリット・デメリットを比較してみましょう。
| 一括投資 | 積立投資 | |
|---|---|---|
| メリット |
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| デメリット |
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※ここでいう複利効果とは、運用益を再投資することで、利益が利益を生み、雪だるま式に資産が増えていく効果のことです。ただし、投資信託の場合は価格変動リスクがあり、元本が保証されているわけではありません。
ドルコスト平均法とは?
積立投資のメリットとして挙げられる「ドルコスト平均法」とは、価格が変動する商品を、定期的に一定額ずつ購入する方法です。価格が高い時には少なく、安い時には多く購入することになるため、平均購入単価を平準化する効果があります。
シミュレーションで比較!一括投資 vs 積立投資
それでは、具体的にシミュレーションで比較してみましょう。ここでは、以下の条件で計算しています。
- 投資対象: 全世界株式インデックスファンド(信託報酬は年0.1%と仮定)
- 期待リターン: 年率5%(※将来のリターンを保証するものではありません)
- 投資方法:
- 一括投資:毎年年初に120万円を投資(5年間)
- 積立投資:毎月10万円を積み立て(5年間)
- 期間: 5年間
【ご注意】
このシミュレーションは、一定の前提条件に基づくものであり、将来の運用成果を保証するものではありません。実際には、税金や手数料、基準価額の変動などにより、結果は異なります。投資信託の価格は日々変動します。
シミュレーション結果
| 投資方法 | 元本 | 5年後の評価額(試算) |
|---|---|---|
| 一括投資(毎年年初に120万円、5年間) | 600万円 | 約696.2万円 |
| 積立投資(毎月10万円、5年間) | 600万円 | 約678万円 |
計算の考え方(一括投資)
| 年 | 年初の元本 | 年末の評価額 |
|---|---|---|
| 1年目 | 120万円 | 120万円 × 1.05 = 約126万円 |
| 2年目 | 126万円 + 120万円 = 246万円 | 246万円 × 1.05 = 約258.3万円 |
| 3年目 | 258.3万円 + 120万円 = 378.3万円 | 378.3万円 × 1.05 = 約397.2万円 |
| 4年目 | 397.2万円 + 120万円 = 517.2万円 | 517.2万円 × 1.05 = 約543.1万円 |
| 5年目 | 543.1万円 + 120万円 = 663.1万円 | 663.1万円 × 1.05 = 約696.2万円 |
【シミュレーション結果の解説】
一括投資:
毎年、前年末の評価額に120万円を足した金額を元本として、年率5%で運用されると仮定して計算しました。この計算方法では、一括投資の方が積立投資よりも運用成果が大きくなる可能性が高まります。より早いタイミングで運用益が再投資に回され、複利効果が働きやすいためです。
積立投資:
毎月コツコツ積み立てることで、時間分散の効果が得られ、リスクを抑えながら資産を増やせる可能性があります。しかし、相場がきれいな右肩上がりの場合は、一括投資に比べて最終的な利益が少なくなる可能性があります。
上記の表は、あくまで仮定の数字です。年率5%で運用できた場合の試算であり、実際の運用結果を保証するものではありません。
どの投資方法があなたに合っているかは、リスク許容度や投資期間によって異なります。ご自身の状況に合わせて、じっくり検討してみてくださいね。
「やっぱり、自分では決めきれない…」という方は、お気軽にFPにご相談ください。
2024〜2025年の相場状況と2026年の投資戦略
2024年は、新しいNISA制度がスタートした年ということもあり、日本株を中心に株価が大きく上昇した1年でした。日経平均株価は2024年3月に一時4万円台をつけ、バブル期の高値を更新しています。
その流れは2025年も続き、10月には日経平均が史上初めて5万円台に乗せる局面がありました。その後、いったん急落する場面もあったものの、足元では5万円前後を挟んで高値圏でのもみ合いが続いています(2025年12月時点)。
海外に目を向けても、ダウ平均やナスダック総合指数は2025年にかけて複数回、過去最高値を更新しており、米国株を中心に世界の株式市場全体が「かなりの高値圏」にある状態と言えます。
もうひとつ見落とせないのが、為替(円安)の影響です。2024〜2025年にかけては、1ドル=150〜160円前後まで円安が進行した時期もありました。円建てで見ると、
- 米国株・全世界株インデックスの評価額が「為替差益込み」で大きく膨らんでいる
- 一方で、将来円高方向に振れた場合には、その分リターンが削られるリスクもある
つまり、今見えている評価額の伸びには、「企業の成長」だけでなく「円安」の追い風も含まれている、ということです。2026年の年初に成長投資枠で一括投資を検討する場合、
- 現在の株価水準だけでなく、為替が円安寄りに振れていること
- 今後、円高方向に戻る局面が来た場合の評価額のブレ幅
も、頭の片隅に置いておく必要があります。
こうした状況を踏まえると、2024〜2025年の相場は、
- 長期で見ると歴史的な高値圏まで上昇している一方で、
- 短期では数%〜十数%単位の大きな上下も起こり得る局面
と言えます。
このような環境では、「まだまだ上がる」と決めつけて年初に全力一括投資するのではなく、誰にも相場は読めないという前提に立ち、あなた自身のリスク許容度や投資期間に合った投資戦略を選ぶことが重要です。
2026年の新NISAは年初一括投資すべき?3つのチェックポイント
2026年の年初に、「成長投資枠で一気にまとめて買ってしまおうか…」と悩む方も多いと思います。ここでは、年初一括投資を検討する前に確認しておきたい3つのチェックポイントを整理しておきます。
① 今の評価額水準と「どこまでの下落なら許容できるか」
2024〜2025年の日本株・世界株は、歴史的な高値圏まで上昇してきました。一方で、短期間で10〜20%程度の下落が起きる場面もあり、ボラティリティ(価格変動の大きさ)は決して小さくありません。
もし、2026年の年初に成長投資枠240万円を一括投資した場合、
- タイミングによっては、数ヶ月で含み損が20〜30%になる可能性もある
- その含み損を見ても「想定の範囲内」と割り切れるかどうか
を事前にイメージしておくことが大切です。
「評価額がいきなりマイナス20%になったら、夜眠れない…」という方は、年初一括よりも、半年〜1年くらいかけた分散投資や、「一括+積立のハイブリッド」など、時間分散を取り入れる方が向いているかもしれません。
② 投資期間とライフプラン(いつまで寝かせられるお金か)
新NISAは非課税で保有できる期間に実質的な期限がない(恒久化された)制度です。長期で運用できるのであれば、理論上は一括投資の方が期待リターンが高くなりやすいと言われます。
しかし、現実には「いつでも使っていいお金」なのか、「10年以上は引き出さない前提のお金」なのかで、取れるリスクの大きさが変わります。
- 教育資金など、使う時期がほぼ決まっているお金 ⇒ 積立をベースに、相場を見ながらスポット買いを検討
- 老後資金・余裕資金など、10〜20年スパンで寝かせられるお金 ⇒ 年初一括も選択肢に入り得る
「このお金をいつ使う予定なのか?」を先に整理しておくと、年初一括が自分に合うかどうかが見えやすくなります。
③ キャッシュポジションと生活防衛資金
年初一括投資を考える時に、つい「いくら投資に回すか」だけを見がちですが、同じくらい大事なのが「いくら現金を残しておくか」です。
例えば、2026年の年初に成長投資枠いっぱいの240万円を全額一括投資してしまうと、
- 急な病気・ケガ、車の買い替え、住宅の修繕などが発生した時に、現金が不足する
- 必要になって早期に売却した結果、「安いところで投げ売り」になってしまう
といったリスクがあります。
そのため、
- 生活防衛資金として、生活費の最低3〜6ヶ月分程度の現金は別で確保しておく
- それとは別に、「当面使う予定のない余裕資金」の範囲で年初一括を検討する
といった考え方が基本になります。
年初一括が合う人・合わない人のざっくりイメージ
総合すると、次のようなイメージで考えてみてください。
- 年初一括が向きやすい人:
・10年以上の長期運用を前提にしている
・手元に十分な生活防衛資金がある
・一時的な含み損を見ても「そういう時期もある」と割り切れる - 分散投資・積立が向きやすい人:
・相場の上下で気持ちが落ち着かなくなりやすい
・数年以内に使うかもしれないお金も混ざっている
・「最悪、5〜10年くらい含み損でも耐えられる」とまでは言い切れない
このように、2026年の新NISAで年初一括投資をするかどうかは、「どちらがお得か」よりも「自分の性格とライフプランに合うか」で考えるのがおすすめです。
【FPが教える】あなたに合った投資方法の見つけ方
以下のチェックリストで、あなたに合った投資方法をイメージしてみましょう。
1. リスク許容度をチェック!
(A)多少の価格変動は気にしない。長期的に大きなリターンを狙いたい。
(B)価格変動はできるだけ少ない方が良い。着実に増やしたい。
→ Aを選んだ方は、一括投資も検討の価値あり。Bを選んだ方は、積立投資が基本路線になります。
2. 投資期間はどれくらい?
(A)5年以上、できれば10年以上
(B)5年未満
→ Aを選んだ方は、時間分散の効果が効きやすい積立投資も有力です。Bを選んだ方は、相場状況や目的に応じて慎重に投資方法を選びましょう。
3. 何に投資する?
(A)個別株や新興国株式など、値動きの大きい商品
(B)全世界株・先進国株・バランス型など、比較的値動きがマイルドな商品
→ Aを選んだ方は、一括ではなく積立投資でリスクを分散するのも一つの方法です。Bを選んだ方は、長期前提であれば一括投資も検討できます。
4. 投資に回せる資金は?
(A)一括投資できるだけのまとまった資金がある
(B)まとまった資金はないが、毎月一定額なら投資できる
→ Aを選んだ方は、一括投資+積立投資のハイブリッドも選択肢に。Bを選んだ方は、無理のない範囲での積立投資から始めましょう。
新NISAを最大限に活用するための注意点
- 投資は元本保証ではありません。最終的な判断は、ご自身の責任で行ってください。
- 生活防衛資金(万が一に備えるための現金)は必ず確保したうえで投資を始めましょう。
- 1つの商品に集中投資せず、複数の商品・地域に分散することがリスク管理につながります。
- 短期の値動きに惑わされず、長期的な視点でコツコツ続けることが大切です。
- 「いつ、どのくらい売却するか」という出口戦略も、ざっくりで構わないので考えておきましょう。
ハイブリッド戦略という選択肢
「一括投資か、積立投資か」でどうしても決めきれない場合は、資金を2つに分けるハイブリッド戦略も有力な選択肢です。
例えば、2026年の成長投資枠240万円を使う場合、
- 120万円だけを年初に一括投資してスタートダッシュを狙う
- 残りの120万円は、毎月10万円ずつ12ヶ月に分けて積み立てる
といった形にすれば、
- 一括投資の「早くから運用を回せる」というメリットを一部取りつつ、
- 積立投資の「時間分散で高値掴みリスクを和らげる」メリットも活かせる
という、いいとこ取りに近い形にすることができます。
まとめ:新NISAでの一括投資と積立投資、「自分に合うかどうか」がいちばん大事
新NISAでの一括投資と積立投資、どちらが良いかは、あなたのリスク許容度、投資期間、投資対象、資金状況などによって変わります。「絶対にこっちがお得!」という正解はありません。
大切なのは、それぞれのメリット・デメリットを理解したうえで、「自分はどんな投資なら続けられそうか?」という視点で方法を選ぶこと。そして、無理のない範囲で、コツコツと投資を続けることです。
なお、本記事では2024〜2026年時点の制度・相場環境をもとに解説しています。今後も制度変更や市場環境の変化に応じて、内容を随時アップデートしていきます。
もし、この記事を読んで「自分の場合はどう考えたらいい?」と感じたら、お気軽にFPにご相談ください。あなたの家計や将来の希望を伺いながら、一緒に最適なプランを考えていきましょう。
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