年金は本当に頼れるのか?遺族・障害年金と必要保障額の考え方
年金って本当にもらえるの?
「年金なんて、どうせもらえない」「払っても損じゃないの?」
そんな声を、奈良県橿原市でファイナンシャルプランナーとして相談を受けていてもよく耳にします。
確かに将来の制度に不安を感じるのは無理もありません。
しかし、年金は単なる「老後のお金」ではなく、家族を守るための公的保障制度でもあります。
この記事では、年金の基本的な役割と、よくある誤解について、奈良・橿原エリアで活動するFPの視点からわかりやすく解説します。
年金や保険、老後の不安について
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公的年金の「3つの役割」とは?
年金というと、老後に受け取るものだと考える方が多いかもしれません。
しかし実際は、以下の3つの役割があります。
- ① 老齢年金:老後に備える資金
- ② 障害年金:病気やけがで働けなくなったときの補償
- ③ 遺族年金:一家の大黒柱が亡くなった場合の生活保障
つまり、公的年金は「保険」のような役割も兼ねているのです。
年収600万円の会社員が亡くなった場合の遺族年金は?
具体的なケースで考えてみましょう。
想定条件:
– ご主人:34歳・年収600万円
– 奥様:33歳・パート勤務(年収100万円未満)
– お子様:1歳
– 住宅ローン:5,600万円(団信あり)
この条件でご主人が亡くなった場合、遺族年金として支給される金額の目安は…
月額 約10〜12万円(奥様+子ども加算)
ただし、この金額ですべての生活費をまかなうのは難しいのが実情です。
たとえば、毎月の生活費が25万円だったとすると、不足分は15万円程度。
その差額をどう補うか?――ここで必要になるのが「必要保障額」の考え方です。
特にお子様が小さい場合、配偶者がフルタイムで働けるとは限りません。
想定している奥様の年収分(例:パート収入など)を実際に確保できるかどうかは、家庭の状況によって変わってきます。
また、近隣に頼れるご両親や支援者がいるかどうかも、生活再建の大きな判断材料となります。
死亡保障として民間保険をどれくらい準備するか?
または、貯蓄・資産運用で備えるか?
年金だけではカバーしきれない部分を、家庭ごとのライフプランに応じて整理しておく必要があります。
(出典:日本年金機構「遺族基礎年金の受給要件」)
障害年金とは?どういうときにもらえるの?
障害年金は、病気やけがで日常生活や仕事が制限されるようになった場合に支給される年金です。
主なポイントは次の通りです:
- 初診日が年金制度の加入中であること
- 一定の納付要件を満たしていること(直近1年間に未納がない など)
- 障害等級1級〜2級(厚生年金なら3級も対象)
支給例(会社員・厚生年金加入):
– 障害等級2級 → 年額 約120万円〜160万円
– 障害等級3級 → 年額 約60万円〜100万円
(出典:日本年金機構「障害年金ガイド(PDF)」)
病気やけがで働けなくなっても、障害年金があれば一定の生活費の補填になります。
ただしこれも、あくまで一部補償であり、現役時の収入全体を補えるわけではありません。
たとえば、世帯主が年収600万円だった場合、
障害年金(等級2級)で支給される年額120万〜160万円は年収の3〜4分の1程度にとどまります。
さらに、住宅ローンとの関連性も重要です。
団信(団体信用生命保険)は死亡や高度障害時にローンを完済してくれる制度ですが、
最近増えている「就労不能団信」では、支払い対象となる障害状態の条件は、私の実感としてもかなり限定的に感じられます。
FPや保険募集人としての現場感覚では、実際に障害年金の等級に該当しても、ローン免除にならないケースは珍しくないと感じます。
その差額をどう補っていくのか――
これも事前にライフプランを立てて備えるべき重要な視点です。
また、老後の収入源としての老齢年金の受け取り方も考えておくと良いでしょう。たとえば、老齢年金を繰り下げ受給すれば、受給開始を1年遅らせるごとに年金額が8.4%増える仕組みになっています(70歳までで最大42%増)。
とはいえ、「得か損か」は寿命や家庭状況によって異なります。
平均寿命を超えて長く生きる前提であれば得になりますが、短命だった場合には受け取らずに終わるリスクも。
繰り下げ受給については、別記事で具体的なシミュレーションや損益分岐点を解説していますので、あわせてご覧ください。
(※奈良県橿原市などで年金やライフプランに不安を感じている方は、地元のFPに相談してみるのも一つの方法です)
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