がん保険の期待値をFPが計算してみた|損得勘定を超えたリアルな備え

がん保険は本当に得なのか?期待値で見てみた

保険は「損得」で入るものではない──。それは当然の前提ですが、実際に数字で計算してみると「がん保険って意外と合理的では?」と思えるケースもあります。

34歳男性・がん保険のケーススタディ

  • 加入時年齢:34歳
  • 月額保険料:1,940円
  • 平均寿命:82歳まで生存と仮定
  • 診断一時金:100万円(がんと診断確定で支給)

この条件で、生涯の総支払額を計算すると…

1,940円 × 12ヶ月 × 48年 = 約111万円

がんに罹患する確率は?

厚生労働省の統計によれば、日本人男性が一生のうちにがんと診断される確率は約50%。つまり、2人に1人。

単純な期待値で考えると、

  • 給付期待額:100万円 × 50% = 50万円
  • 支払総額:111万円

だけ見ると「元は取れない」ように見えます。

がん治療にかかる実際の費用とは?

例えば胃がんの場合、標準治療(手術+抗がん剤)で自己負担額は約30万〜50万円。乳がんなら通院治療が長引き、トータルで50万〜100万円になることもあります。さらに、自由診療の陽子線治療や重粒子線治療を選ぶと300万〜500万円の自己負担が発生するケースもあります。

高額療養費制度は万能ではない

たとえ高額療養費制度を利用しても、例えば年収500万円程度の人なら自己負担上限は月約9万円前後。3ヶ月続けば合計約27万円。それに加えて交通費、付き添いの費用、雑費などが別途発生します。

治療費以外にも収入リスクがある

治療のために休職した場合、会社員なら傷病手当金で収入の2/3程度はカバーされますが、それでも収入ダウンは免れません。フリーランスや自営業者の場合は無収入リスクが直撃します。がん保険の一時金は、こうした収入補填にも大きな意味を持ちます。

一時金100万円の使い道シミュレーション

仮に100万円の一時金を受け取った場合、以下のような支出に充てられます。

  • 治療費自己負担:約30万円
  • 通院交通費・宿泊費:約10万円
  • 生活費補填:約40万円(3ヶ月無収入想定)
  • その他雑費:約10万円

このシミュレーションでもわかるように、100万円は”ゆとり資金”ではなく、“最低限必要な備え”と言えます。

FPが考えるがん保険設計アドバイス

がん保険の設計を考えるなら、まずは「診断一時金100万円以上」を確保。そのうえで、

  • 通院治療保障
  • 2回目以降のがん診断保障
  • 生活費補填目的の貯金プラン

も合わせて検討するのが現実的です。保険だけに頼らず、手元資金とのバランスを取ることも大切です。

まとめ:数字以上に「心の保険」としての価値

期待値だけでは測れない安心感。それが保険の本質です。がん保険は、勘定だけでなく感情面でも支えになる商品だと改めて感じます。

がん保険の必要性について基礎から知りたい方はこちらもどうぞ。

▶がん保険は必要か?FPが冷静に解説

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