奈良・橿原FPが語る“金利が戻った世界”の資産形成術|定期預金・NISA・iDeCo・円建て保険の使い分け【年代別シナリオ】
こんにちは、かながわFP相談所の金川です。9月、まだ暑いですね。まずは水分補給とエアコン、無理せずいきましょう。さて本題。ここ数年で家計の空気が変わりました。長く続いたゼロ金利が終わりつつあり、いまは「金利のある世界」です。定期預金に少し息が戻り、保険の予定利率も上向き。円建ての貯蓄性保険が“前より意味を持つ”場面も増えてきました。
とはいえ、インフレや教育費の上昇は待ってくれません。結論から言うと、これからは「預ける」「育てる」「守る」を年代と目的に合わせて配合する。ここを外さなければ、大きく失敗はしにくい。今日は奈良・橿原の生活実感を交えながら、地に足の着いた設計を一緒に描いていきます。
ゼロ金利の終わりで何が変わった?
まず事実関係をすっきり。
・定期預金は“完全に眠っていた時代”より利息がつきやすくなった。ただしインフレにはまだ勝ちにくい。
・保険の予定利率が上向くと、解約返戻金水準や将来の受取が改善する商品もある。
・一方で、投資をやめて良い理由にはならない。長期で資産を育てる役割は、NISAを中心に継続が鉄則です。
FPとして正直に言うと、「預金だけで安心」「保険だけで完璧」「投資だけが正義」──この三つは全部ハズレ。役割のチーム編成が答えです。
奈良・橿原の“家計リアル”を少し
地元の相談でよく出るのが、車2台持ち。車検、タイヤ、任意保険、ガソリン。ボーナスが一瞬で消える、なんて声も現実です。持ち家比率も高く、住宅ローンは長期戦。お子さんが大阪の私立大へ通うと、授業料に交通費や教材費が積み上がる──数字以上に“固定費化”しやすいのが怖いところ。
ここで効くのが色分けです。「10年以内に使うお金=現金・定期」「10年以上先のお金=投信・NISA」。そして、「万一に備えるお金=保険」。この三色で塗り分けると、迷いが減ります。
手段の使い分けを“人間の言葉”で
定期預金:クーラーボックスみたいな存在。中身は傷みにくいけど、料理はできない。生活防衛資金や数年以内の支出を置く場所です。
投資信託・NISA:家庭菜園。種をまいて水やり(積み立て)を続けると、最初は小さくても収穫が増えていく。焦って掘り返すと根が切れる=途中でやめないのがコツ。
iDeCo:老後専用の金庫。開けられるのは原則60歳以降。その代わり、節税メリットは段違い。
円建て保険:「守る」と「貯める」を少しずつ同時に。予定利率の上向きは追い風。ただし、保険料は固定費。無理のない額で、流動性を圧迫しない設計が条件です。
20代:小さな一歩を“習慣”に
奈良市の社会人2年目さん。投資が怖くて1年先送り──このパターン、実は多い。そこで給与日に1万円の自動積立からスタート。ボーナス時は+2万円の増額スイッチ。3年後、「気づいたら40万円超になってました」と笑顔。
20代の資産形成は、金額よりも仕組み。最初のハードルを“低く”“自動”で。これが勝ち筋です。
30〜40代:教育費×住宅ローン×老後の三立て
この年代は、同時多発。私立進学で教育費が跳ね、ローンは重く、老後資金も気になる。ここでよくある“正義感の暴走”が、住宅ローンの繰上返済に全振りして流動性が枯れるケース。車の買い替えや急な医療費でカードローンに手が伸びる──これは本末転倒です。
やることはシンプル。教育費は10年以内の現金ライン確保(学資保険や定期)。老後はiDeCo+NISAで30年先を育てる。そして、生活防衛資金は厚め。
橿原の4人家族は、色分け導入で「将来の年金不足をNISAの取り崩しで補う」設計に切替。家計のストーリーが鮮明になりました。
50代:守りと“出口”をデザイン
教育費が一段落、リタイアまで10〜15年。ここからは“増やすより減らさない”。株式比率を段階的に落とし、円建て保険や定期へ一部シフト。受け取り時期を65・70・75歳に分散すると、景気の波に振り回されにくい。
大和八木のご夫婦は、NISAを一部利益確定して私的年金の“床”を作成。残りは積立継続。年金+投資の二本立てで「下がった年も生活は平常運転」に。これは精神衛生に効きます。
よくある誤解、ここで断ち切りましょう
「預金なら安全だから正解」──インフレに勝てなければ、静かに目減りします。
「保険があるから安心」──流動性がゼロだと、急な出費に弱い。
「投資を始めたら勝ち」──途中でやめるなら逆効果。
FPの本音を言うと、続けられる設計=正義です。派手さは不要。家計に合ったリズムで、長く続くことがすべて。
奈良の教育費・通学コスト、現場の肌感
大阪私立大への通学は、授業料に加え、交通費・教材費・サークル活動費など“見えにくい固定費”が積み上がります。年間で二桁万円後半〜100万円台という声も。ここは10年以内は現金、10年以上は投信の色分けが効く場面です。
今から30分でできること
(1)固定費の棚卸し:通信、車、保険。使っていない特約は外しましょう。
(2)自動化:給料日にNISAと定期、iDeCoが同時に動く設定に。
(3)見える化:3つの“箱”(預ける・育てる・守る)の残高を毎月1回だけ確認。十分です。
最後に——この一文だけ覚えて帰ってください
「色分けして、自動で、やめない」。これさえ守れば、相場のニュースに振り回されなくなります。必要があれば、僕が隣で設計図を一緒に描きます。勧誘はしません。「今のままでOK」な方には、はっきりそう伝えます。
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かながわFP相談所は、奈良県全域(北和・中和・南和)に対応しています。奈良市・生駒・大和郡山・天理・王寺・斑鳩・平群・香芝・葛城・橿原・桜井・大和高田など、対面・オンラインどちらも可能です。
補足しておくと、行動経済学の世界では人は“損の痛み”を“得の喜び”の約2倍強く感じると言われます。だからこそ下がった時にやめたくなる。正しい対処はシステム化──積立は止めない、売買はルール化、現金比率は季節のようにゆっくり調整。肩の力を抜いて、仕組みで勝ちにいきましょう。