空想おかねシリーズ:鬼殺隊員がケガで休んだら、傷病手当金はもらえるのか?

空想おかねシリーズ:鬼殺隊員がケガで休んだら、傷病手当金はもらえるのか?

――夜明け前の藤の花畑。
任務帰りの鬼殺隊員が、肩を押さえながら呟いた。
「隊務につけるまで少しかかりそうです」

鬼殺隊は、国の正式な機関ではなく、表には存在しない特務組織。
報酬も俸給ではなく「任務手当」として支払われているらしい。
そうなると、もし彼らが負傷した場合、現実世界でいう「傷病手当金」はどうなるのだろうか。


鬼殺隊の“働き方”を現実に置き換えると?

作中描写から推測すると、鬼殺隊はいわば業務委託契約に近い。
本部から任務を受け、成功報酬型で手当が支給される。
つまり、いわゆる「被用者」ではない。
給与明細もなければ、社会保険の被保険者証も存在しない。
健康保険に加入していなければ、当然傷病手当金は出ない

つまり彼らの収入は「労務の対価」というよりも「請負報酬」。
現代日本で言えば、フリーランスのハンターや傭兵、あるいは芸能の世界に近い構造だ。

鬼を斬る強さはあっても、社会保障という防具は、ほとんど身にまとっていない。


隊士たちの“もしも”を考える

長期療養が必要なケガ。任務不能が数か月続く――。
彼らが家族を養っていた場合、収入の途絶は深刻だ。

作中で冨岡義勇や煉獄杏寿郎のような高位隊士は、恐らく蓄えもある。
だが一般隊士たちは、日々の任務に追われ、貯蓄や保険にまで意識を向ける余裕はないだろう。
その意味で、現代社会の「フリーランス」と非常によく似ている。

だからもし彼らが現代に生きていたなら――
所得補償保険生活防衛資金は、命を守る刀と同じくらい大切になる。


現実世界ならどうなる?

現代日本の制度では、傷病手当金は会社員や公務員など健康保険の被保険者に支給される。
業務外のケガや病気で働けなくなったとき、給与の約3分の2が最長1年半支給される。

しかし、国民健康保険(自営業・フリーランスなど)では原則としてこの制度がない。
つまり「鬼殺隊」は、制度的にはここに該当する。
強く、誇り高く戦っていても、病に倒れたときには支えがない。
そこが現実との最大のギャップだ。


FP的に見る“鬼殺隊の家計防衛策”

鬼を討つための剣を研ぐように、家計にも備えの刃が必要だ。
戦うための筋肉も、休むための資金も、どちらも命を支える。

  • 短期間働けなくなっても生活できる現金3〜6か月分の備え
  • ケガ・病気で働けない時に備える所得補償保険(就業不能保険)
  • 家族を守るための医療・生命保険の設計

「呼吸」や「型」を磨くように、生活の型=家計の型を整えておくことが、現代の鬼殺隊に必要な戦術だ。


まとめ:強さとは、守りの美学でもある

鬼殺隊の強さは、命をかける覚悟と他者を守る優しさにある。
現代社会でもそれは同じだ。
家族を守る、暮らしを守る――それもまた“戦い”の一つ。

現代の私たちは、刀の代わりに制度と知識を持てる。
それを使いこなすために、FPという“後方支援部隊”がいる。
戦う人を、安心で支える。
それが、私たちの仕事だ。

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※本記事は漫画・アニメ『鬼滅の刃』に登場する「鬼殺隊」の世界観を題材とした空想コラムです。
現実の制度を教育・解説の目的で構成しており、原作・著作権は吾峠呼世晴氏および関係各社に帰属します。

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