知らないのは損?インデックスVSアクティブ NISA、iDeCo対応
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こんにちは。
奈良の独立FPの金川(かながわ)です。
2024年に新しいNISAに変わって資産運用のご相談を多くいただいております。
ご相談のなかで「インデックスがコスパ良いと聞きましたが本当ですか?」
「アクティブファンドは損ですね」といったキーワードをよく聞きますが、果たして本当でしょうか?
このあたり知らずに投資をするのは機会損失になりかねないのでできるだけわかりやすくまとめてみました。
少し長いですが最後までお付き合いください。

インデックスVとアクティブファンドそれぞれのメリットデメリット

皆さんは『アクティブファンド』という言葉を聞いたことがありますか?
NISA などで資産運用を考えている方なら一度は耳にしたことがあると思います。
『アクティブファンド』とは何か、あなたは説明できるでしょうか?
同時に聞くことの多い『インデックスファンド』との違いは何なのか?
これを知っておけば投資をする際の手助けに!
『アクティブファンド』と『インデックスファンド』について詳しく説明し、投資信託の際のポイント
などもお伝えします。

NISA などの投資信託はアクティブファンドとインデックスファンドの 2 種類に分類することができま
す。
アクティブファンドとは、一定の指数を上回る運用成績を目指す投資信託です。その名の通り積極的な
運用が特徴であり、市場の状況を考慮しながら株式や債券などの有価証券を売買し、ポートフォリオの
比率も調整しながら運用されます。市場の状況に対して柔軟に対応できるため、市場平均を大きく上回
るパフォーマンスを期待することもできます。
特定の地域・国・業種・テーマなど、様々な投資対象のバリエーションがあります。小型株やハイ・イ
ールド債といった、ニッチな資産クラスを対象としたものもあり、個人投資家の運用目的や関心を持っ
ているテーマ、投資哲学に合わせた投資ができます。

一方、インデックスファンドは、特定の指数に連動するように設計されており、運用方針もそれに従う
ものとなります。そのため、運用力の巧拙はあまり関係なく、特定の指数の値動きそのものがインデッ
クスファンドのパフォーマンスに影響を及ぼす主要因となります。
例外もありますが、主要な国や地域、全世界などの指数を対象とするファンドがほとんどです。
例えば、「今、日本株が好調なので投資比率を高めたい」と思ったとします。インデックスファンドの場
合、日本株市場の全体に投資することになりますが、アクティブファンドの場合は「これから成長が見
込める中小型株に投資したい」「配当を多く出している企業に投資したい」など様々なテーマや哲学で
選ぶことができるわけです。選択肢が広がるのがアクティブファンドの特徴とも言えます。

そんなアクティブファンドのメリットの 1 つは、大きなリターンが狙えること。
優れたファンドマネージャーの運用によって、市場平均を上回る運用成績を狙える可能性があります。
ファンドマネージャーが市場の状況を常にモニターし、適切な投資先を選択し、ポートフォリオの比率
も適宜調整することによって、高いリターンを狙うことができるといわれています。

2 つ目のメリットは、目的に合わせて商品が購入できること。
アクティブファンドは運用に特徴があるものも多く存在します。特定業種の企業にフォーカスして運用
されるものや、AI やアルゴリズムを用いて機械的に運用されるものなど、その特徴は様々です。
リスク分散、大きなリターンへの期待など、投資家それぞれが期待する目的に沿うアクティブファンド
に投資することで、投資家のポートフォリオ戦略の幅を広げることができることも、アクティブファン
ドの魅力のひとつです。

一方でデメリットもあります。
1 つはコストが高いこと。
アクティブファンドはインデックスファンドと比較して、ファンドマネージャーやアナリストなど運用
に携わる人間の数が多い傾向にあります。
アクティブファンドにはその分のコストが上乗せされるため、インデックスファンドよりもコストが高
くなる傾向にあります。
コストは投資の意思決定をする際にも注意が必要です。例えば、せっかく運用益が発生していても、そ
れを上回る購入時手数料を支払っていたのであれば、結果的に損をしたことになってしまいます。
投資の意思決定の際は、期待されるパフォーマンスに見合ったコスト水準か、という点も重要になりま
す。
もう 1 つはインデックスファンドよりもパフォーマンスが下回る場合があるということ。
アクティブファンドは必ずしもインデックスファンドよりパフォーマンス面で有利になるわけではあり
ません。
高い運用コストを払っても、結局インデックスファンドよりもパフォーマンスが悪いという場合もあり
ます。

投資初心者はまずインデックスファンドによる運用を経験してみて、慣れてきたらアクティブファンド
に挑戦してみるというのも考え方の一つです。
この2つを比較した際に、世間の一般的な意見として「アクティブファンドは勝てない」「コストが高
くダメだ」という声が紹介されるケースがあります。
こういったネット上の意見を見て、アクティブファンドを敬遠する方もいますが、アクティブファンド
が必ずしもインデックスファンドに劣るわけではありません。
「これから投資信託を始めてみよう」という方にとってインターネットの情報は手軽で貴重な情報源で
すが、その中には誤った情報も数多く飛び交っています。数あるネットの情報の中からご自身が必要と
している情報のみを選別するのは非常に難しく、自分の生活スタイルに合った投資をスタートするため
には、プロに相談してみるのも一つの手です。投資信託について気になることがあれば、信頼できる FP
や IFA にしっかり相談してください。

たしかに、先に述べたようにアクティブファンドのデメリットには、コストとパフォーマンスに対する
懸念があげられます。
アクティブファンドがインデックスファンドに勝てないと言われる理由の 1 つに、高い運用コストがあ
ります。
インデックスファンドはアクティブファンドと比較して運用に携わる人数が少なくて済む傾向があるた
め、運用コストを最小限に抑えて投資をすることができます。
一方で、アクティブファンドはその運用に多くのプロが携わることから、その分だけコストも高くなり、
インデックスファンドより不利になります。
こうした背景が、「アクティブファンドはインデックスファンドに勝てない」と言われる 1 つの理由でし
ょう。

しかし、比較する期間や対象によって違いますが、インデックスファンドのパフォーマンスを上回った、
言い換えれば、“勝った”アクティブファンドはあります。
特に今の米国株市場は、時価総額の高いマグニフィセント・セブンと呼ばれる企業が指数の構成比で上
位を占めています。それら特定の銘柄が指数のパフォーマンスをけん引している側面があり、アクティ
ブファンドがリスク管理の観点などから、それらの銘柄を十分に保有できていない場合などに、インデ
ックスファンドが有利になる可能性があります。

一方、NFRC では、日本株市場を対象に、インデックスファンドとアクティブファンドでどちらの平均
リターンが高いのか比較を行ったことがあります。すると、調査対象の期間によって結果は変わること
がわかりました。
過去 3 年間は、インデックスファンドが強いのですが、5 年間、10 年間という長い期間で見てみると、
およそ半数ほどのアクティブファンドが勝っており、平均リターンもわずかにアクティブファンドが上
回っていました。

直近の 3 年間は、日本株市場全体が上昇する局面にありました。つまり、業績のいい企業も悪い企業も
総じて上がる市場環境ではインデックスファンドが強いのですが、市場のいい時も悪い時も含めた長期
投資の視点では、個別銘柄を目利きして選んでいるアクティブファンドが有利になっている可能性があ
ります。

運用コストが高いといわれるアクティブファンドですが、良いアクティブファンドに出会えれば、運用
コストの高さというデメリットを上回るメリットを享受することができる場合もあります。
運用会社や販売会社の公式ホームページにこれまでの実績が掲載されているはずなので、気になるアク
ティブファンドの成績を確認してみましょう。
アクティブファンドを選ぶ際のコツとしては、5 つのポイントがあります。

① 運用収益(パフォーマンス)を確認する
アクティブファンドの成績を確認する際には、そのファンドに投資した場合にどのくらい利益が期待さ
れそうか、また、直近以外でパフォーマンスが悪化している時期がないかなどを細かくチェックします。
また、同じ期間中にインデックスファンドと比べてどの程度パフォーマンスが良いか・悪いかも確認し
ておくと良いでしょう。
②信託報酬を確認する
信託報酬は投資信託にかかる手数料であり、インデックスファンドよりアクティブファンドの方が信託
報酬は高い傾向にあります。
信託報酬は、アクティブファンドの中でも 1%程度のファンドから 2%を超えるファンドまでさまざまな
ので、各ファンドの情報を詳細に確認しておきましょう。

③運用方針を確認する
アクティブファンドには、それぞれ特徴的な運用方針や投資方針が定められている場合が多く、ファン
ドマネージャーはこの方針に基づいてファンドを運用します。
ホームページや目論見書などに、ファンドの目的・特徴や主要な投資対象、投資する銘柄の選定方法な
どが詳細に説明されているため、必ず確認しましょう。
アクティブファンドを選定する際には、これらの運用方針が自分の投資の方針と一致しているかチェッ
クする必要があります。

④リスク分散ができるか確認する
多くのアクティブファンドは、リスク分散がなされるようにポートフォリオを組みますが、必ずしも投
資家自身が考えるリスク分散と合致するとは限りません。
例えば、30 銘柄に分散投資するのか、100 銘柄に分散投資するのかでは、リスクの分散度合いは変わっ
てきます。
自身の考えるリスクの分散が達成可能か、アクティブファンドのポートフォリオを確認してみましょう。

⑤インデックスファンドと併用する
アクティブファンドはインデックスファンドよりも商品選定の難易度が高いため、投資初心者はまずイ
ンデックスファンドからはじめても良いかもしれません。もちろん、自分の投資スタイルに合うアクテ
ィブファンドが見つかったなら投資しても良いでしょう。
最近では 1 万円から運用が開始できるファンドも増えていますので、まずは少額からチャレンジしてみ
ましょう。
これらを踏まえ、検討してみましょう!

リターンより大事な指標はシャープレシオ

また、投資信託の比較をする際、まずはリターンに目が行きがちではありませんか?
しかし、ただリターンが良ければいいというわけではありません。投資信託の比較をする際に大切な数
値であるシャープレシオをご存じでしょうか?

『シャープレシオ』とは、「リスクに見合うリターンが上がっているか」という、投資効率の良さを数
値化したものです。
個別の株や債券、投資信託など、金融投資商品同士を比較する際に使われる、代表的な指標のひとつと
なっています。この数値が大きいほど、小さなリスクで大きな投資リターンを上げた、つまり運用効率
が良かったことを意味します。

一定期間の投資結果は、元本に対して何%のリターンが得られたのかでも測ることができます。しかし、
単なるリターンの比較では、投資家が選択しているリスクが考慮されていません。
例えば、投資信託 A、B ともに、年平均リターンが 5%だったとしても、A はリスクの大きい商品、B は
リスクの小さい商品であれば、B のほうが効率の良い投資結果といえます。

シャープレシオは、そのような投資効率の良し悪しを比較するため、「リスクを冒して運用した結果、
無リスクから得られるリターンを、どのぐらい上回ったか」を数値で表しているのです。この数値が大
きいほど、小さなリスクで大きな投資リターンを上げたことを意味します。

シャープレシオは、「これから投資しようとしている金融商品が、過去にどのようなリスク対比で動いて
きたのか」を見るために使われます。
金融商品を販売している会社のウェブサイトなどでシャープレシオを調べることができますが、シャー
プレシオが何を意味しているかを理解するために、計算方法について触れておこうと思います。
シャープレシオは、「1リスク当たりのリターン」で算出されます。
具体的な計算式は次のようになります。
シャープレシオ=(リターン-無リスク利子率)÷リスク
リターンとは、対象期間の年率平均リターンのこと。
無リスク利子率とは、「リスクを冒さなくても手に入るリターン」のことで、リスクのない金融商品を
買ったときの利子率となります。3 ヵ月国債の金利などが使われるのが一般的で、日本の場合は、現在
は 0%として計算されます。
例えば、直近 5 年間の年率平均リターンが 10%だったファンド A と B(ともに日本円建て)があるとし
て、ファンド A はリスクが 5%、B は 8%だとすると、それぞれのシャープレシオは、次のようになり
ます。
A のシャープレシオ=(10-0)÷5=2
B のシャープレシオ=(10-0)÷8=1.25
つまり、この場合、運用効率が良いのはファンド A ということになります。
投資信託の比較をする際には、是非シャープレシオを意識してみてください。

余談ですが、投資のリターン計算には信託報酬などのコストを控除して計算されています。
例えば、インデックスで信託報酬が0.1%、アクティブファンドで信託報酬が1.0%、それぞれリターンが5%とします。
実際の投資運用の成績はインデックスが5.1%アクティブファンドが6.0%となりアクティブファンドの方が運用成績が良かったといえます。
こちら知らない方が多いので注意が必要です。

ここまでアクティブファンドやインデックスファンド、シャープレシオについて説明してきました。
投資を始めるにあたって何から始めたらいいか分からないという方はぜひお声がけください。

ご相談お待ちしております!

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