空想おかねシリーズ:るろ剣編|左之助が傷害保険に入っていたら──襲撃されて反撃中のケガは補償されるのか?

左之助が傷害保険に入っていたら──襲撃されて反撃中のケガは補償されるのか?【骨太版】

──明治の東京。文明開化の裏で、夜の路地裏にはまだ“旧時代の暴力”が息を潜めていた。

「相楽左之助……今日こそケリつけてやる!」

背後からの不意打ち。刃が閃き、左之助の背へ迫る。反射的に拳を握り、反撃に転じる左之助。しかしその最中、敵の攻撃で肋骨を痛め、二重の極みを放った衝撃で拳も壊す。

もし左之助が現代日本の“傷害保険”に加入していたら、このケガは補償されるのか?
今回は、法律・保険実務・調査員の判断・歴史背景まで踏まえた「骨太版」で解説する。


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左之助の職業「喧嘩屋」は通称であり、保険上は“無職”として扱われる

左之助の肩書きは「喧嘩屋」だが、これは彼の通り名に過ぎない。現代の保険実務では職業は、

「継続的な収入を得る業務があるか」

で判定されるため、左之助は職業告知上“無職(一般生活者扱い)”となる。

つまり、

  • 職業に対する危険度区分の影響はない
  • 加入そのものは可能

ただし、「ケガの原因が補償対象かどうか」は別問題である。


傷害保険の三要件「急激・偶然・外来性」

傷害保険は以下の3要件を満たす必要がある。

急激・偶然・外来の事故によるケガ

左之助の襲撃シーンに当てはめると──

要件状況判定
急激性突然の不意打ち
偶然性襲撃を予期していない
外来性相手の刃・拳による外因

よって「襲撃されたケガ」は補償され得る。


法律視点:左之助の反撃は「正当防衛」か?それとも「暴行」か?

傷害保険では、故意・犯罪行為・闘争行為が免責である。
よって反撃の性質が重要になる。

● 正当防衛(刑法36条)なら補償され得る

  • 急迫不正の侵害がある
  • 防衛意思がある
  • 行為が相当

左之助が「襲われた側」なら正当防衛になりやすい。

● しかし過剰防衛はグレー

攻撃者を“戦闘不能レベル”にするなど、行為が過剰なら保険会社の判断は割れる。


調査員(アジャスター)が実際に見るポイント

傷害保険の支払い可否は、調査員の判断が大きい。

  • 挑発・報復の有無
  • 逃げる余地があったか
  • 第三者証言・防犯カメラの有無
  • 警察への届出
  • 被害者か加害者か

● 外因 vs 自因の仕分け

  • 敵の攻撃で受けたケガ → 外来性あり → 補償対象
  • 二重の極みで拳を壊したケガ → 外来性なし(自損)→ 補償外

同一事案でも、外因と自因の“混在”が起きるのがポイントだ。


明治期の治安政策と左之助という存在

明治政府は士族反乱や愚連隊の取り締まりとして、
暴力行為の厳罰化を進めていた。

左之助のような人物は、当時の治安政策の“境界線上”にいた存在であり、
現代の保険制度で評価する場合、

  • 社会からのリスク視点
  • 個人の防衛行為
  • 公的秩序の維持

これらが複雑に絡み合う。


FPとしての結論

  • 襲撃されたケガ → 補償される可能性が高い
  • 反撃中に敵から受けたケガ → 補償対象
  • 反撃中に自分の拳を壊した → 補償外
  • 挑発・過剰防衛 → 免責の可能性

つまり、

「守るための拳」は保険が味方し得る。
「壊すための拳」には保険は微笑まない。

これは左之助という男の“生き方のリスク”そのものでもある。


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執筆:金川 崇(かながわ たかし)/かながわFP相談所

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