空想おかねシリーズ:フリーレンは1000年生きたら年金はいくら?──長寿と複利の魔法をFPが解説
フリーレンは1000年生きているけど、年金はいくらもらえるのか?
『葬送のフリーレン』の世界を、現実の制度にそっと重ねてみます。
もしフリーレンが現代日本で「人間」として暮らし、きちんと40年間国民年金を納めていたとしたら──年金はいくらもらえるのでしょうか。
奈良県橿原市でFP相談をしている立場から、ちょっと真面目に、でも作品世界へのリスペクトを忘れずに考えてみます。
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前提条件:フリーレンを「人間扱い」するとこうなる
まずは前提をざっくり決めておきます。
- フリーレンはエルフだが、ここでは人間として年金制度の対象とみなす
- 20歳から60歳までの40年間、国民年金保険料を納付したと仮定
- 厚生年金(会社員)は、収入や就業形態が不明のため今回は考えない
現行の国民年金は、40年フルに納めると満額(年額およそ80万円台後半)が支給されます。
ここでは話をシンプルにするため、計算しやすいよう年額87万円と仮定します。
1000年生きても「年金ルール」は変わらない
日本の年金制度は、人間の寿命(だいたい100年未満)を前提に設計されています。
フリーレンのように1000年生きる存在は、制度上そもそも想定されていません。
とはいえ、もしも制度がそのまま適用されるとしたら、フリーレンは60歳から年金を受け取り始め、1000歳まで生きた場合、
- 受給開始:60歳
- 現在の年齢:1000歳
- 受給年数:940年
という、とんでもない長期受給になります。
※本来、国民年金の受給開始は65歳ですが、ここでは話をわかりやすくするため「60歳開始」で統一しています。
フリーレンが940年もらい続けたら、総額はいくら?
仮に年額87万円を940年間もらい続けたとすると──
人間の感覚からすると「いやそんなにもらえるの?」というレベルです。
長生きすればするほど、年金の総受給額は増えるという意味では、フリーレンはとんでもない「超・長寿得」を享受していることになります。
ただし、同時にこうも言えます。
長寿は「得」でもあり、同時に「家計にとってのハードモード」でもある。
生きている限り、
- 食費
- 旅費(フリーレンの場合、旅そのものが生活)
- 魔導書代(趣味兼自己投資)
- 装備の修繕や、仲間との再会のための移動費
といった出費は延々と続きます。
100年生きる私たちでさえ老後資金が話題になるのに、1000年スケールの人生となると、年金だけではどう考えても足りません。
そこで登場する「時間を味方につける魔法」=複利
ここで、もうひとつの「魔法」を登場させます。
それが複利です。
もしフリーレンが、旅の合間にふと気まぐれを起こして、
- 100円を
- 年利3%で
- 1000年間、そのままほったらかし
にしていたら、どうなるでしょうか。
100円が1000年で687兆円。
……いや増えすぎやろ。魔導書より価値あるやん。
もちろん、現実の運用には税金・手数料・破綻リスクなどがあるので、こんなにきれいなカーブは描きません。
それでも、「時間 × 複利」には、魔法級のパワーがあることがわかります。
途中経過を見ると、フリーレンの時間感覚が少しわかる
同じ「年利3%」で100円を運用し続けたときの、おおよそのイメージです。
- 100年後:192円(まだかわいい)
- 300年後:約75万円
- 500年後:約3億円
- 700年後:約5,000億円
- 1000年後:約687兆円
人間の人生スパン(せいぜい100年)では、「複利って大事らしいけど、正直ピンと来ない」ということも多いです。
しかし、フリーレンのような超長寿の視点に立つと、複利の威力は“魔法”どころか“世界のルール”レベルで効いてくることがわかります。
奈良・橿原の現実世界に引き戻すとどう見えるか
さすがに私たちは1000年は生きませんが、「人生100年時代」と言われるように、老後の期間は確実に伸びています。
奈良・橿原で相談を受けていても、
- 公的年金だけでは老後が不安
- つみたてNISAやiDeCoでどれくらい備えたらいいのか
- インフレや物価上昇が心配
といった声をよく伺います。
フリーレンのように1000年は無理でも、
- 20代・30代から少しずつ「時間を味方につける」
- 40代・50代で、老後のキャッシュフローを一度整理してみる
といった行動は、私たちにも十分可能です。
複利の魔法は、早く始めた人ほど、優しく効いてくる仕組みだからです。
まとめ:フリーレンが教えてくれる「時間」と「お金」の話
今回の空想をまとめると、こんな感じです。
- 国民年金は40年納付で満額、年金ルール自体は1000年生きても変わらない
- ただし総受給額は「長寿ほど大きくなる」(フリーレンなら約8.2億円)
- 一方で、長寿ほど生活費も長くかかるため、老後資金のハードルも上がる
- 100円を年利3%で1000年運用すると理論上は687兆円になるほど、時間×複利の威力は絶大
重要なのは、「1000年生きるから特別」なのではなく、
自分の人生の長さに合わせて、時間とお金をどう味方につけるか。
という視点です。
フリーレンが静かに時を重ねていくように、
私たちも、今日から少しずつ「未来に効いてくる行動」を積み重ねていければ十分だと思います。
※本記事は『葬送のフリーレン』の世界観をお借りしたフィクション考察です。原作・アニメの内容とは一部解釈が異なる場合がありますが、作品や作者・権利者の方々を批判・侵害する意図は一切ありません。
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