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2017/12/15加筆修正おこないました。

積立NISAとは?

2018年度より積立NISAがスタートします。
従来のNISAとくらべ、投資初心者でも分かりやすく加入しやすい制度となっています。
まずは概要から見ていきましょう。

積立NISA(非課税口座内の少額上場株式等に係る配当所得及び譲渡所得の非課税措置)の創設

積立NISAが創設され、現行のNISA(少額投資非課税制度)と選択して適用できるようになります。

・積立NISA口座を開設した日からその年の1月1日から20年間は、口座内で得た配当所得及び譲渡所得に対して所得税及と住民税が課税されません。
・非課税となるのは毎年、積立NISA口座内で買い付けられた公募等株式投資信託で40万円を超えないもの。
要約すると、年間最大40万円まで積立NISA口座で運用している投資信託の配当や譲渡所得に税金が掛からない制度と言う事ですね。

積立NISANISA(現行)iDeCo(イデコ)
年間最大投資額40万円120万円144,000円から816,000円
非課税で運用できる期間20年5年60歳まで
投資商品投資信託(約120種類)株・投資信託など(約5000種類)株・投資信託等
定期預金
保険
資産の引き出し可能可能60歳まで不可

現行NISAが創設されてから数年がすぎましたが、開設口座のうち実際に運用されている口座はとても少ないようです。
それはなぜか?と言うと、

・まとまったお金がない
・制度や投資に関する知識がない
・損したくない

といったと言ったことが主な理由です。
そこで誰もが利用しやすい仕組みを作るべく創設されたのが、今回の積立NISAなのです。

現行NISAと比較すると、年間投資額を大幅に減らす一方、非課税期間を最長20年と延長することで長期で安定した資産形成を目指せるような仕組みに変わっています。
年間40万円は一見少なく思えますが、20年で800万円と現行NISAの5年で600万円と比べ長期運用を目指していることがお分かりいただけるかと思います。

また現行NISAでは5000種類もの商品から選択する必要がありましたが、積立NISAは120種類程度の投資信託からしか選択できません。
この120種類も金融庁が決めた水準に適応した商品のみであり初心者が長期運用してもわかりやすく損しにくい物ばかりが選ばれています。

投資初心者にも幅広く制度を利用してもらい、経済の活性と懸念されている年金制度を自助努力で解消してもらいたいと言う政府の考えが良く分かりますね(笑)

おさえておきたい!つみたてNISA5つのポイント


つみたてNISAで確認しておきたいポイント挙げていきます。
1.2018年1月より制度スタート
あと2週間で開始ですね、年末年始の時間のある時に投資について勉強されると良いのではないでしょうか?

2.最長20年間の非課税期間
2018年1月からつみたてを開始した時は2038年12月まで口座内の収益が非課税となります。
この20年間のうち投資信託で得た配当や値上がり益、また売却益に対して、従来20%課税されるところ非課税となります。

3.年間投資上限額は40万円
月にすると33,000円ほどですね。SBI証券では毎日積み立てや、毎週積み立ても可能なようです。
このSBI証券の毎日積み立て(実際は毎営業日ごとです)は画期的ですよね。投資する上で時間を分散してリスクを減らすことが大切とされています。(ドルコスト平均法といいます)
毎日こまめに300円ずつでも購入していけば相場の変動なんて気にならなくなります。理にかなった投資方法だと言えそうです。
後述しますが投資信託購入時に手数料がかかるものがありますが、積み立てNISAの商品は手数料がかからないノーロードのものしかラインナップされていません。
そういった意味でもSBI証券は積み立てNISA口座におすすめの証券会社と言えそうです。

4.定期的な買い付けをおこなう必要がある
これは、勘違いしやすいのですが、必ずタイミング毎に購入しなければいけないわけではありません。
たとえ3ヶ月間積み立て続けた後、積立をやめたからといってペナルティがあるわけじゃありません。その期間積み立てができないだけで、後に積み立てを再開してもいいのです。
口座内の資産はそのまま維持されています。このあたりがiDeCo(個人型確定拠出年金)と違って流動性が悪くなるというリスクがありませんよね。

5.対象となる買い付け商品は一定の条件を満たす投資信託
現時点で120種類程度の投資信託がラインナップされています。
これらは投資商品は金融庁の指定する条件を満たし届け出たもので、金融庁が認めた初心者も安心な商品だといえます。
対象商品はノーロードと言って購入時に手数料がかからないものだけ。しかも信託報酬(投資信託の手数料のことです)が低額なもばかりです。
ですから投資信託って損しそう。。怖いなどイメージをお持ちの方も安心して始めることができるのではないでしょうか。

積立NISAはどんな人に向いているか?

積み立てNISAはどんな人におすすめか考えていきます。

iDeCo(個人型確定拠出年金)以外にも非課税口座が欲しい人

iDeCo(個人型確定拠出年金)で老後資金向けに投資をはじめているが、もっと投資信託をしたい。
iDeCo(個人型確定拠出年金)では国外のアクティブ型投資信託を購入し、
積み立てNISA口座では国内のインデックス型投資信託を購入するなど、ポートフォリをを組むのに相性が良いといえます。

専業主婦

NISAと同じで、運用益に対して課税されない制度として個人型確定拠出年金iDeCo(イデコ)があります。
こちらは運用益の非課税と合わせて、掛け金が全額所得控除されるという最大のメリットがあり近頃では話題になっていますね。
個人型確定拠出年金・iDeCo(イデコ)に関しての記事はこちらからお読みいただけます。

ただし名前の通り年金を補う事を目的とした制度ですので60歳まで引きな出せないということがデメリットとなる場合があります。
よって専業主婦など所得控除の恩恵を受けれない人は積極的に個人型確定拠出年金・iDeCo(イデコ)に加入するメリットがないと考えられます。
反対に専業主婦など所得控除が受けられない人にとっては積立NISAはおすすめの制度であると言えるでしょう。

これから長期投資を始めたいかた

投資信託を購入した経験がない人は、少額でいいのでコツコツと積み立てNISA口座で投資信託を購入していくことで投資家としての経験が積むこともできますし、
長期投資の素晴らしさが味わえるのではないでしょうか。

20年以内にまとまった資金が必要な人

積立NISAは20歳から加入できます。
現在20歳の人が40歳まで毎年40万円を積み立てた場合、800万円を投資することになります。
20年と言う長期運用ですから複利効果で資産が大きく増加していることが予想されます。

仮に毎年積み立て額40万円に対し5%の運用益が出た場合、20年で13,226,400円となります。
本来の800万円に対し5,226,400円もの利益が出ることになります。
またこれに掛かる税金20%が非課税となるが特徴です。(1,000,000円ほど節税できる計算ですね)
(なお複利とは投資信託で利益が出たらその利益を元金に上乗せして運用していく仕組みの事です、あのアインシュタインが「人類最大の発見」と言ったとか。)

ですので今後20年をめどに住宅購入を検討している、同じく子供の進学費用などをを見越している方にとって押さえておきたい制度であると言えます。
ただ誰もが20年後の事なんて漠然としていて分からないとお考えではないでしょうか?
これをサポートするのがFPが得意とするライフプランです。(キャッシュフロー表)


この表のように数値を当てはて行くことで20年先のことも数字で考えることが出来るようになります。

例えば現時点で生まれたばかりの子供が高校進学するときにどれほど蓄えがいるのか。
10年後にマイカーを買い替えたいがその為に何を削る必要があるのか。
将来マイホームが欲しいが資金計画をどうすれば良いのかかなどが明確になります。

これらのように長期的に検討していくことが求められる人に積立NISAはおすすめと言えるでしょう。

積立NISAのデメリット

メリットばかりに目を向けがちですがデメリットも見ておきます。

損益通算が出来ない

積立NISA口座内で損失が発生しても、他の口座で得た運用益などと損益通算することが出来ません。
積み立てNISA口座以外の特定口座で50万円の利益、積み立てNISA口座で50万円の損益が出た場合、個人の収益は0円なのですが、
損益通算できなため特定口座の50万円の利益に対して20%課税され10万円を払わなければなりません。

投資額が値下がりした時点で積立NISA機関が終了したとき

口座内で投資した額が100万円と仮定して、積立NISA期間が終了した時点で50万円に下落していた場合、取得価格が50万円となります。

その後これを80万円で売却した場合、30万円の利益が出たとみなされ元金割れしているにも関わらず課税されてしまいます。
損失が出てるのに課税されるのはなんともやるせないですね(汗)

まとめ

来年度より始まる、積立NISA。
初心者向けに投資の楽しさを教えてくれる良い制度となると思います。
でも個人型確定拠出年金・iDeCo(イデコ)という税制面で優れた制度があることも忘れてはいけません。

色々と聞きなれない言葉も多く、いったい自分はどの制度を利用すべきか悩ましいとはおもいますが、
なぜ自分が投資する必要があるか目的を明確にして検討すればいいと思いますよ。
ぜひこれをきっかけに投資にチャレンジしてみてください。

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