【空想お金相談】熊とベア相場、死んだふりは有効?FPが教える正しい備え方【保険・投資】

こんにちは。奈良・橿原のFP、金川です。

ここ数年、全国で「クマ」の出没ニュースが相次ぎました。
人里におりてきたクマによる被害や、イベントの中止など、生活への影響も大きかったですね。

実際、2025年を象徴する漢字として「熊」が挙げられるほど、私たちの記憶に強く残る一年になりました。

一方で、私たちのいる金融業界でも、「ベア(Bear)」という言葉があります。
これは「弱気相場(下落相場)」のことを指します。クマが攻撃するときに腕を振り下ろす姿から、相場が下がることを「ベア」と呼ぶのです。

今日はそんな「物理的なクマ」と「相場のクマ(ベア)」をごちゃ混ぜにしてしまった、ある勇者パーティの勘違いを通じて、リスクへの備え方を考えてみましょう。

※本記事は、鳥獣被害のニュースと金融用語(ベア相場)を掛け合わせた架空のコラムです。実際の被害を軽視する意図はありません。山間部へ入られる際は自治体の最新情報をご確認の上、十分ご注意ください。


「看板」を見ただけで大騒ぎする勇者パーティ

ある日、奈良南部の深い山奥へ遠征に来ていた勇者パーティ。
登山口にあった「熊出没注意」の看板を見た瞬間、後衛の魔法使いが青ざめた顔で叫びました。

「やっぱり…! チャートの形がおかしいと思ったんだ! ベアが来たぞー!!」

魔法使いはスマホの画面(投資信託の基準価額)に釘付けです。
どうやら彼は、最近始めた積立投資の成績が下がっていることを気にしていたようです。

一方、前衛の戦士は、物理的な「野生のクマ」のことだと思って反応します。

「な、なんだって!? まだ心の準備も装備もできてないぞ! おい、熊鈴は持ったか!? 万が一遭遇したらどうする!? 死んだふりか!?」

ここで、アンジャッシュのようなすれ違いが発生しました。

「死んだふり」は正解か、不正解か

魔法使い(相場の話):
「バカ言ってるんじゃない! こんな暴落局面で『死んだふり(塩漬け)』なんてしたら、資産が溶けてなくなるぞ! 今すぐ損切りだ! 全力で逃げるんだ!」

戦士(物理的な話):
「そ、損切り(見捨てる)だと!? 仲間を見捨てて逃げるのか!? それに今は『死んだふり』は推奨されてないらしいぞ! 遭遇しないのが一番だが、もしもの時は防御姿勢だ!」

魔法使い(相場の話):
「それは昔の話だ! トレンドが変わったんだよ! 傷が浅いうちに現金化するのがセオリーだろ!」

僧侶(仲裁):
「二人とも落ち着いて! 物理的なクマに背中を見せて逃げるのは危険よ! でも、長期積立投資なら『死んだふり(持ち続けること)』が正解になることも多いわ! ドルコスト平均法を信じて!」

現場は大混乱です。


FPとして真面目に解説:物理的リスクと金銭的リスク

さて、ここからがFPとしてのお話です。

物理的なクマに出会ったときと、相場の下落(ベア)に出会ったとき。
とるべき行動は似ているようで、実は少し違います。

物理的なクマの場合:保険の「範囲」を確認

昨今、山間部では車と動物の衝突事故も増えています。
もし運転中に動物とぶつかって車が壊れた場合、自動車保険(車両保険)が使えるかご存知でしょうか?

実はここが落とし穴です。

  • 一般条件(フルカバー): 多くの場合は補償されます。
  • 車対車+A(エコノミー等): 動物との衝突は「単独事故」扱いとなり、補償対象外になるケースが多いです。

「うちは車両保険に入っているから大丈夫」と思っていても、実はシカやクマとの衝突は対象外だった、という事例は少なくありません。
奈良南部など自然豊かなエリアをよく走る方は、一度ご自身の証券(補償範囲)を確認しておくことを強くおすすめします。

相場のクマ(下落相場)の場合:逃げないが勝ち

一方、投資の世界で相場が下がったとき。
初心者が一番やってはいけないのが、パニックになって「狼狽売り(損切り)」をしてしまうことです。

NISAやiDeCoで、全世界株やS&P500などに長期投資をしているなら、
「下がっている間も淡々と積み立てを続ける(ある意味での死んだふり)」
が、将来的に大きなリターンを生むための王道です。

相場のクマに出会ったとき、正解は「逃げる」でも「戦う」でもなく、「嵐が過ぎるのをじっと待つ」ことである場合が多いのです。


オチ:一番「維持費」がかかるのは…

すったもんだの末、勇者パーティの前に現れたのは、看板のクマ…ではなく、どこからか迷い込んできた可愛らしいジャイアントパンダ(熊猫)でした。

「なんだ、パンダか〜! 可愛いな〜! 連れて帰ろうぜ!」
と喜ぶ戦士たち。

しかし、すかさずFPの僧侶が計算機を弾いて言いました。

「気をつけて! ある意味、一番の強敵よ! ジャイアントパンダのレンタル料は年間数千万円〜1億円かかることもあるわ! 食費も管理費も桁違い! うちのパーティの家計じゃ、飼育(維持)なんてしたら即破産よ!」

「ひええ! 投資のマイナスより怖い!」

結局、勇者たちはパンダを丁重にお見送りし、自分たちの家計に見合った「普通の犬」を飼うことにしたそうです。


まとめ:あなたの家計は「ベア」に耐えられますか?

今回の教訓は3つです。

  1. 物理的なリスクには「保険の範囲」を確認する
    特に自動車保険のエコノミー型は、動物との衝突が出るか要チェックです。
  2. 相場のリスク(下落)には「余剰資金」で備える
    暴落が来ても生活が揺らがない金額で投資をしていれば、慌てず「長期保有」ができます。
  3. 「見た目」より「維持費」を見る
    パンダのように「可愛くて人気」のものほど、見えないコスト(管理費や手数料)がかかることがあります。

「うちの自動車保険、動物は出るんだっけ?」
「もし株価が暴落したら、うちの家計はどうなる?」

そんな不安を感じた方は、クマに出会う前に、一度FPにご相談ください。
あなたのパーティの装備(家計バランス)を、一緒に点検いたします。

※無理な金融商品の営業は一切行っていません。今の家計状況を一緒に整理するだけでも大丈夫です。

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