新NISAは大事。でも「お金は使うためにある」を忘れないでほしい理由
新NISAが始まってから、「とにかくNISA!」「余裕があれば全部投資!」という空気が一段と強くなったように感じます。
SNSでも、「飲み会や旅行なんてムダ。全部NISAにつぎ込もう」といった投稿を、目にする機会が増えました。
FPとして、新NISAや長期投資をおすすめする立場にいる私から見ても、この「投資こそ正義」みたいな空気には、少し違和感があります。
▼ ライフプランや新NISAの使い方を個別に相談したい方へ
「うちの家計だと、どこまで投資に回していいの?」と感じたら、一度LINEでご相談ください。奈良県橿原市の独立系FPとして、営業・押し売りなしでお話をうかがいます。
新NISAは“強力な器”。でも主役はあくまで「人生」
新NISAは、うまく使えばとても心強い制度です。投資で得た利益に税金がかからないというのは、長期で見れば大きな差になります。
奈良・橿原でライフプラン相談をしていると、「銀行預金に置きっぱなしより、新NISAで運用した方がいいですよね?」というご相談を受けることが増えました。私自身も、お客様にも、新NISAの活用は積極的にお話ししています。
ただ、それでも忘れたくないのは、次のようなシンプルな前提です。
お金は本来「投資するため」にあるのではなく、自分や大切な人の時間・経験・学びに気持ちよく使うための道具であるということです。
器として新NISAは強力ですが、主役はあくまで「あなたの人生」そのものであって、口座残高や評価額ではないはずです。
新NISAが「本末転倒」になりがちな3つのパターン
ここ数年、相談の現場で増えてきた「ちょっと本末転倒かも…?」というパターンを、あえて3つに整理してみます。
① 生活がカツカツなのに「とりあえず枠を埋めたい」
まず多いのが、生活防衛資金がほとんどないのに、「みんながやっているから」「枠がもったいないから」と無理にNISAへ回してしまうケースです。
- ボーナスや貯金をほとんど残さず、一気に投資に回してしまう
- その結果、急な出費が出るたびにカードリボ払いやローンに頼ることになる
これでは、「税金を節約するために利息を払いに行く」ような逆転現象になってしまいます。どれだけ非課税で運用しても、高い金利の借金が増えてしまっては、本末転倒です。
② 自己投資・健康への支出まで削ってしまう
次に気になるのが、「自己投資」や「健康」のためのお金まで切り詰めてしまうケースです。
- 資格取得・スキルアップ・転職に備えた勉強
- ジムや運動、食事改善、定期的なメンテナンスなどの健康投資
こういった「自分の土台」を強くするお金まで削ってNISAに回してしまうと、将来の稼ぐ力そのものが弱くなるリスクがあります。
本来、投資は「将来の自分の選択肢を増やすため」にあるはずなのに、逆に選択肢を狭めてしまうような使い方になってしまっては、本末転倒ですよね。
③ 人とのつながりや経験をゼロに近づけてしまう
最後は、交際費や経験に関するお金を極端にカットしてしまうパターンです。
- 飲み会はすべてムダと考えて、交際費を完全にゼロにする
- 旅行や趣味のイベントも「全部ガマン」してしまう
もちろん、毎週のように散財する必要はありません。ただ、人とのご縁や、新しい景色との出会いが、思わぬチャンスや情報を運んでくることもあります。
適度な交際費や小さな贅沢は、心のバランスを保つための投資でもあります。これをすべて削ってまで投資額を優先してしまうと、「何のためにお金を増やそうとしているのか」が見えにくくなってしまいます。
お金の使い道は「3つの時間軸」で考える
奈良・橿原のかながわFP相談所でライフプラン相談を行うとき、私はざっくりと次の3つの時間軸でお金の使い方を考えていくことをおすすめしています。
① 今〜3年くらいまでの時間軸
- 日々の生活の質
- 近い将来のイベント(旅行・家電の買い替え・子どもの行事など)
- 自己投資のスタート
このゾーンのお金をすべて将来に回してしまうと、今の暮らしが苦しくなったり、本来必要な学びのタイミングを逃してしまうことがあります。
② 5〜15年くらい先の時間軸
- 教育費
- 住宅の修繕や買い替え
- キャリアチェンジや独立の準備など
ここは、新NISAや通常の積立投資が特に力を発揮しやすいゾーンです。ただし、「全部を投資で用意しよう」とせず、現金・預貯金とのバランスも含めて考えることが大切です。
③ 20年以上先の老後・セミリタイア期
老後資金づくりは、新NISAの得意分野のひとつです。長期・分散・積立を意識すれば、時間を味方につけやすくなります。
ただし、老後だけに最適化してしまうと、①今〜近い将来の充実感や、②中期の選択肢が犠牲になってしまうこともあります。
投資で増やすお金・自己投資や経験に使うお金・日々の暮らしを守るお金──この3つのバランスを、ライフプランのなかで一緒に考えていくことが大切です。
新NISAは「人生を豊かにするためのひとつの手段」にすぎない
ここまで読むと、「じゃあ新NISAなんてやらなくていいの?」と感じた方もいるかもしれません。そんなことは全くありません。
老後の不安を減らす、インフレに負けない資産をつくる、将来の働き方の自由度を上げる──こういった意味で、新NISAはとても頼もしい味方です。
ただし、その位置づけは、次のように捉えておくとバランスが良くなります。
- 新NISA=人生を豊かにするための手段のひとつ
- 投資のために、人生の他の要素を全部削るものではない
お金を増やすこと自体が目的になってしまうと、「使う場面」がどんどん先送りされてしまいます。老後に十分なお金があったとしても、そのときに「やりたいこと」がなければ、せっかくの資産も活かしきれません。
まとめ:お金は「増やして終わり」ではなく「どう使うか」までセットで考える
最後に、私がFPとして大事にしている考え方をもう一度整理します。
お金は、最終的には「使うため」にある。投資はそのための準備であって、ゴールではない。
そのうえで、次の3つを全部ひっくるめて「お金の使い方」だと考えています。
- 将来の不安を小さくするための資産形成(新NISA・iDeCoなど)
- 自分の可能性を広げる自己投資(学び・資格・キャリアアップ)
- 家族や友人との時間・ご縁を育てるための支出(旅行・交際費・小さな贅沢など)
新NISAや「年初一括 vs 積立」の具体的な戦略については、別の記事で詳しく解説しています。制度の整理や投資の組み立て方を知りたい方は、こちらもあわせてご覧ください。
新NISAで一括投資か積立か迷ったら|NISAつみたて投資枠・成長投資枠の使い分けと2026年の年初一括戦略
奈良・橿原で新NISAやライフプランのご相談を検討されている方は、「老後資金」だけでなく、「今」と「近い未来」のお金の使い方も含めて、一緒に整理していきましょう。
