年収178万円のカベと政策金利0.75%時代へ。30代子育て夫婦の家計はどう変わる?【奈良・橿原FP解説】
こんにちは。奈良・橿原でFPをしている金川です。
ここ数日、家計に直結する大きなニュースが続きました。
- いわゆる「年収の壁」が178万円まで引き上げられる方向で合意
- 日銀が政策金利を0.75%に利上げ、長期金利も2%台に到達
どちらもニュースとしては聞いたけれど、「うちの家計にはどう関係するの?」「住宅ローンやパート収入はどう見直したらいい?」と、具体的なイメージが湧きにくい方も多いと思います。
この記事では、30代の子育て夫婦を想定して、今回の動きが家計にどう効いてくるのかを整理していきます。
昨日・今日の速報版はこちらにまとめていますので、詳細を知りたい方はあわせてご覧ください。
✔ ニュースと家計の関係を、自分のケースで知りたい方はLINEで気軽に相談できます
ここ数日のニュースで何が変わろうとしているのか
年収の壁:103万円から178万円へ
まず1つ目が、いわゆる年収の壁の見直しです。
- 所得税がかからないラインを103万円から178万円に引き上げる方向
- 2026年度以降の税制改正に盛り込まれる見通し
- パート・アルバイトの方だけでなく、中間層にも恩恵が広がる可能性
「来月からいきなり増える話」ではなく、あくまで2026年度以降に予定されている見直しという点は押さえておきたいところです。
日銀の利上げ:政策金利0.75%、長期金利2%台へ
2つ目が、日銀による利上げです。
- 政策金利を0.5%から0.75%へ引き上げ
- 10年国債利回り(長期金利)が約2%に到達(約19年ぶりの水準)
これは住宅ローンや預金利回りなどに、時間差を伴いながら影響してきます。
30代子育て夫婦の家計に起こりうる3つの変化
① 手取りが増える方向(働き方の自由度アップ)
178万円のカベ引き上げは、特に次のようなご家庭にプラス要因です。
- 夫:正社員、妻:パート勤務の共働き世帯
- 子どもが小さく、時短・パートを選んでいる世帯
これまで「103万円を超えると税金がかかるからシフトを抑える」といった働き控えが起こっていた層にとって、多少多めに働いても税金面の不利が小さくなるのは、シンプルにプラスのニュースです。
一方で、社会保険(健康保険・年金)の106万円・130万円の壁とは別の話なので、トータルでどうするかは整理が必要です。
② 住宅ローンの変動金利がじわじわ効いてくる
すでに住宅ローンを借りている、もしくはこれから借りる30代のご家庭にとって、もっとも気になるのが金利です。
今回の利上げによって、今すぐ返済額が急に跳ね上がるというより、数年かけてじわじわ返済額に効いてくるイメージで捉えておくといいと思います。
よく話題になる5年ルール・125%ルールがあっても、
- 返済額はしばらく据え置き
- その代わり元本がほとんど減らなくなる
といった形で、じわじわ効いてくるケースもあります。また、そもそもこのルールが適用されない銀行もあります。
③ 預金・NISA・保険など、お金の置き場所の考え方が変わる
金利が上がるということは、
- 借りる側にはマイナス
- 貸す側にはプラス
という両面があります。これまでは「預金に置いておいてもほとんど増えないから、とにかく投資」という極端な発想になりがちでしたが、これからは、
- 短期資金は預金や安全資産
- 中長期の資産形成はNISA・iDeCoなど
といった役割分担がより重要になります。
じゃあ、今なにをすればいい?3つのチェックポイント
1.住宅ローン:金利上昇のストレステストをしてみる
変動金利が0.5%から1.0%になったら、毎月いくら増えるのか──。
- 今の家計でその増加分に耐えられるか
- 固定金利への借り換えを検討すべきか
- 繰上返済や貯蓄ペースをどうするか
こういった「もしも」の試算をしておくと、次の一手が見えやすくなります。
2.働き方・年収の設計を「税金+社会保険」で見る
所得税のライン(178万円)だけでなく、社会保険のライン(106万円・130万円など)も見たうえで、
- どれくらい働くのが、家計とライフスタイルのバランスがいいか
- 保育料・教育費・老後資金も含めてどう設計するか
を考えるのが現実的です。
3.NISA・iDeCo・保険の「目的」と「金額」を再確認する
なんとなく積立を続けるのではなく、
- 目的と金額が今の家計に合っているか
- 教育費・住宅・老後といったライフイベント全体のバランスが取れているか
を、2〜3年に一度は見直すことが大事です。
ニュースに振り回されず、家計の地図をアップデートしよう
金利や税制のニュースは、どうしても「得か損か」といった表面的な話題になりがちです。ですが、本当に大事なのは、
- わが家にとって、今なにを優先すべきかを決めること
です。そのために必要なのが、いわゆるライフプラン表(家計の地図)です。
奈良・橿原の30代子育て世代の方へ:まずは現状の棚卸しから
もしあなたが住宅ローンや働き方で迷っているのであれば、一度家計の棚卸しをしてみるタイミングかもしれません。かながわFP相談所では、奈良・橿原を中心に、オンラインも含めたライフプラン相談を行っています。