2ヶ月で2回の手術、52歳FPの家計簿。膀胱腫瘍の医療費公開と「月またぎの罠」の洗礼

肩の次は膀胱。52歳FPを襲った不運の連鎖

こんにちは。奈良・橿原のFP、金川です。

先日、11月に受けた右肩の手術(関節唇損傷)について、実際にかかった費用と保険給付のリアルを公開しました。

この時は、手厚い保障のおかげで家計全体ではプラスになり、保険のありがたみを心底実感したものです。

しかし、人生のシナリオはそう甘くはありませんでした。肩のリハビリに励んでいた年末、今度は膀胱に腫瘍が見つかりました。
今回は、年末年始の入院で実際に支払った生々しい領収書の数字と、プロのFPが勘定よりも感情を優先せざるを得なかった切実な理由をお話しします。


【実録】膀胱腫瘍手術の医療費明細

今回の手術(TUR-Bt)は、12月28日から1月5日までの9日間でした。ここで、FPとして最も注視すべき月またぎによる医療費の変化をご覧ください。

2025年12月28日から31日(4日間)

  • 窓口支払額:119,855円
  • 高額療養費制度適用(自己負担):81,895円
  • 差額ベッド代(個室4日分):35,200円(※前回受診時の精算返金含む)
  • 食事代ほか:約2,760円

2026年1月1日から5日(5日間)

  • 窓口支払額:94,650円
  • 自己負担額(3割分):44,020円
  • 差額ベッド代(個室5日分):44,000円
  • 食事代ほか:6,630円

9日間の合計支払額は、214,505円となりました。


FPの勘定を吹き飛ばした、患者の感情

実は今回、私は最初から月を跨ぐ入院は経済的に損だと分かっていました。高額療養費制度は、1日から末日までの暦月で計算されるからです。
さらに、私の保険には60日のインターバル制限があるため、11月の手術から期間を空けなければ、入院一時金の給付にも影響が出る可能性があることも知っていました。

1月まで待ってから入院すれば、自己負担は数万円安くなる。

お金のプロとしての勘定(計算)はそう告げていました。しかし、一人の患者としての感情は違いました。
もし、これが進行の早いがんだったら? 待っている間に手遅れになったら?
そう思うと、1日でも、1時間でも早く手術台に向かいたかった。結果として良性でしたが、あの結果が出るまでの恐怖の前では、数万円の損得など、何の判断基準にもならなかったのです。

これが、患者になって初めてわかる真実です。お金のプロであっても、命がかかった瞬間に合理的な判断を貫くことは、不可能なのです。


家計のリアル:肩のプラスと膀胱のマイナス

今回の膀胱腫瘍手術で受け取る保険金は以下の通りです。

  • 入院給付金:5,000円 × 9日間 = 45,000円
  • 手術給付金:50,000円
  • 給付金合計:95,000円

窓口支払額が約21.4万円に対し、受取額が9.5万円。つまり、約11.9万円の持ち出し(赤字)となりました。
肩と膀胱の二度の手術における自己負担額と保険給付額の比較表。高額療養費の月またぎや、最終的な家計収支の差を解説するアイキャッチ画像。

【比較】11月と1月の決定的な違い

比較項目11月:肩(2泊3日)1月:膀胱(9日間)
入院タイミング月内完結月またぎ
窓口支払額約10.0万円約21.4万円
保険給付額約26.5万円約9.5万円
最終的な収支+16.5万円の黒字ー11.9万円の赤字

二度の手術を通じたトータルの収支は、約4.6万円のプラスで着地しました。もし保険がなければ、窓口負担だけで30万円を超え、タクシー代やリハビリ費用が家計に重くのしかかっていたはずです。


まとめ:本当の安心は損得の先にある

今回の体験を通じて、私が確信したことがあります。
保険で儲ける必要はありません。しかし、保険があることでお金の都合で治療を1日も遅らせずに済む。この心の余裕こそが、私が今回手に入れた最大の給付金でした。

高額療養費制度は心強いですが、月を跨げば自己負担は跳ね上がります。差額ベッド代も、あのバルーン(管)の痛みに耐え、安眠を確保するためには必要なコストでした。

月を跨いでも、良性腫瘍でも、お金のことを気にせず最善の治療を選べるか?

そう自問自答してみてください。不安が残るなら、私の領収書を生きた教材として、一緒に作戦を立てましょう。FPとして、そしてバルーンの不快感を乗り越えた一人として、全力でサポートします。