プロゴルファー猿はゴルフ保険に入れるのか?旗つつみより先に読むべき約款の話
プロゴルファー猿はゴルフ保険に入れるのか
空想おかねシリーズ。
「ワイは猿や。プロゴルファー猿や。」
藤子不二雄A先生の名作『プロゴルファー猿』。山奥で育った野生児の猿が、手作りの木製ドライバー一本で強敵たちと戦う物語です。子どもの頃はただただ熱くて面白い作品でしたが、大人になり、ファイナンシャルプランナーとしてこの作品を見直すと、別の疑問が湧いてきます。
猿はゴルフ保険に入れるのか。そしてもし事故が起きた場合、保険は本当に使えるのか。約款の視点から考えてみます。
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手作りドライバー:保険会社が絶句する評価額の壁
猿の象徴といえば、あの木製ドライバーです。山の木を削って作った完全な手作りクラブ。では、このクラブが折れたり盗難にあった場合、ゴルフ保険の「用品補償」は使えるのでしょうか。
多くのゴルフ保険では、補償対象は「ゴルフ用品」とされています。つまり、市販品であるかどうかは必ずしも条件ではありません。ここで問題になるのは、評価額です。
保険金は「修理費」または「時価」で算定されます。もし、保険会社の査定担当者が現場に駆けつけ、猿の風呂敷から出てきたあの木の棒を見たとしたら、どう反応するでしょうか。「これは…クラブですか?」と絶句する様子が目に浮かびます。
市場価値が存在しない自作の道具は、客観的な時価評価が極めて困難です。補償対象になる可能性はあっても、評価額が極端に低くなる可能性が高い。道具へのこだわりが強いほど、保険制度との相性が難しくなる。これは現実の資産管理でもよくある話です。
バトルゴルフ:約款が許さない「故意」の境界線
猿のゴルフは、普通のスポーツの枠を超えています。崖からショットを放ち、相手の球を撃ち落とす。もしプレー中に他人へ損害を与えた場合、ゴルフ保険の「賠償責任補償」が使えるのでしょうか。
結論から言うと、かなり厳しいでしょう。保険の世界では、故意による行為や重大な過失は基本的に補償対象外です。バトルゴルフの多くは、偶然の事故ではなく意図的なプレーです。ミスターXが用意したルールも契約書も不明な環境は、保険が想定する「通常のプレー環境」からも大きく逸脱しています。
約款は情熱ではなく「偶然性」で判断されるのです。
ホールインワン保険の意外な落とし穴
猿の必殺技といえば「旗つつみ」や「モズ落とし」。劇中ではホールインワンが何度も生まれます。通常、ゴルフ保険では達成時に祝賀会費用などが補償されますが、ここには重要な条件があります。それは、第三者の証明です。
多くの保険では、同伴競技者やキャディ、ゴルフ場関係者の目撃証明が必要になります。つまり、ミスターXの秘密コースでのホールインワンは、証明ができない可能性が高いのです。どれだけ神業でも、証明できなければ保険金は出ません。最近ではキャディ無しでも可能なプランもありますが、原則として第三者証明が必要であることに変わりはありません。
結論:野生の勘よりルールを知って振り抜こう
プロゴルファー猿の世界は熱くて自由です。しかし保険の世界は、驚くほど冷静です。
野生の勘だけで勝てるコースは、もう残っていません。人生という長いラウンドで本当に怖いのはOBではなく、ルールを知らないまま振り抜くことです。
もし今、自分の備えに少しでも不安があるなら。約款という名のスコアカードを、一度見直してみてください。