兄は鬼子です。シャアの金塊50億円が招く、贈与の連鎖と連邦軍への献金地獄
『空想おかねシリーズ』機動戦士ガンダム編
「この金塊、ホワイトベースの皆さんのために使ってください」
第39話、自室にブライトを呼んだセイラ・マスは、アタッシュケースに詰まった金塊を前にそう提案します。困惑するブライトに対し、彼女は静かに、しかし断固として言い放ちました。
「兄は鬼子です」
この台詞、実務家の視点で読み解くと、非常に高度な皮肉が見えてきます。お兄様、これじゃ連邦軍に戦費を支援しているようなものですわ!という、税務上の悲鳴です。
第一次贈与:シャアからセイラへの推定50億円
まず、このアタッシュケースの中身を現在の金相場で計算してみましょう。金の比重とケースサイズから概算すると、少なく見積もっても50億円規模の資産と考えられます。
シャアが宇宙空間にこのケースを放り投げ、セイラが受け取った瞬間に第一の贈与が発生します。贈与税は金額が大きくなるほど税率が上がる累進課税です。今回のような巨額資産では、当然ながら最高税率帯(55%)が適用される水準になります。控除額を差し引いても、約27億円の納税義務が発生します。
この時点で、シャアが用意した資産の半分以上が、税金として持っていかれることが確定します。
ちなみに、命とお金の扱いがここまで極端に分かれるのは、この世界だけではありません。ドラゴンボールのように死と復活が当たり前の世界でも、保険の仕組みはまた別の結論を導きます。
ドラゴンボール編:死んでも保険金は出るのか
第二次贈与:セイラからクルーへの山分け
さらに、セイラさんは残った約23億円(50億円から税金27億円を引いた額)を、ホワイトベースのクルー100人で分けようと提案します。ここで、セイラから各クルーへの第二次贈与、つまり贈与の連鎖が発生します。
23億円を100人で割ると、一人あたりの受取額は2,300万円。ここでも当然、贈与税が追いかけてきます。2,300万円を受け取ったクルー一人ひとりに、約800万円の納税義務が発生する計算です。
結果として、クルーが最終的に手にできるのは、一人あたり約1,500万円。100人合わせても15億円程度です。
資産は一瞬で消えますが、制度は長い時間で効いてきます。例えばフリーレンのように数百年単位で生きる存在なら、年金制度の見え方もまったく変わります。
フリーレン編:1000年生きたら年金はどうなるのか
連邦政府が最大の勝者という皮肉
数字を整理してみると、恐ろしい事実が見えてきます。
シャアが用意した50億円の価値のうち、クルーの手元に届いたのはわずか15億円。残りの35億円は、すべて贈与税として地球連邦政府の懐に入ります。
ジオンの大佐が私財を投じて妹を救おうとした結果、その資産の7割が、自分たちを撃ち落とそうとしている連邦軍の戦備増強に化けてしまう。敵に撃たれる前に、味方の善意で資産は削られていく。戦場で撃ち落とされる前に、資産は税制で撃ち落とされる。
これこそが、実務的な視点で見た「兄は鬼子です」の真意ではないでしょうか。お兄様、これじゃ連邦の戦費を支援しているようなものですわ!
今回のように、資産の渡し方ひとつで結果が大きく変わるのは現実でも同じです。ジョジョのような資産承継のケースでも、制度の理解が結果を左右します。
ジョジョ編:資産承継は誰のものになるのか
設計図のない贈与は、時に優しさではなくリスクになります。愛にもロジックが必要です。
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贈与や相続は、やり方ひとつで結果が大きく変わります。
奈良県橿原市を拠点に、全国オンラインでFP相談を受け付けています。
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