2026年1月実施。自動車保険料の最大7.5パーセント値上げとネット保険の罠。合理的な選択に潜む告知の盲点とは?

2026年1月、保険料高騰の嵐が現実になりました

こんにちは。奈良・橿原のFP、金川です。

2026年の幕開けとともに、家計を揺るがす大きな変化が実施されました。大手損害保険各社による自動車保険料の6%前後から、条件によっては7%を超える大幅な引き上げです。2年連続の改定であり、その上げ幅は過去10年余りで最大という、まさに暴風雨のような状況です。

日本損害保険協会などの業界団体も、この値上げの背景について詳細を公表しています。衝突被害軽減ブレーキ(AEB)をはじめとする先進技術(ADAS)の普及により、部品代や修理費が以前とは比較にならないほど高騰していることが、保険金支払額を押し上げている最大の要因とされています。

参照:日本損害保険協会 ニュースリリース

こうした状況下で、保険料を抑えたいと考えるのは当然です。全く同じ保障内容であれば、より安い保険を選ぶ。これは家計を預かる身として、極めて合理的で真っ当な判断です。しかし、その前提となる保障内容が本当に同じかという点において、ネット保険には見えにくい落とし穴が潜んでいます。


その安さ、何を削って手に入れましたか?

私は自動車保険を積極的に取り扱っているわけではありませんが、お客様の家計全体を俯瞰する立場として、ネット型保険の見積もり画面でチェックを外されがちな項目に危機感を覚えています。

例えば、メガ損保(代理店型)では当たり前のように付帯されている「新価特約(新車買替費用)」「人身傷害の車外補償」。ネット型で見積もりを安く見せるために、これらを無意識に外してはいませんか?

最新の車が大きな損傷を受けた際、時価額の保障だけでは同じ車は買えません。また、車外補償を外せば、家族が歩行中に車に跳ねられた際の守りも失われます。ネットの画面は安さを強調しますが、失われる安心の重さまでは教えてくれないのです。


ネット型事故対応の限界。電話一本で解決できるほど甘くない

事故現場でパニックになっているとき、ネット型のコールセンターができることは限られています。彼らは現場を見ていませんし、その場ですべてを解決してくれるわけでもありません。

相手側と電話で話しますという謳い文句もありますが、現場の状況を把握していない人間が安易な交渉を行えば、非弁行為(弁護士法違反)に抵触する恐れすらあります。実際には、法的な交渉行為は弁護士しか行えないため、保険会社の事故対応には構造的な限界があるのが実情です。結局、現場で立ち往生し、難解な法律や保険用語の壁にぶつかるのはあなた自身です。プロの代理店という盾を持たずに安さを選ぶことは、有事の際の孤独という重いコストを先払いしているに過ぎません。


生命保険の簡単告知に潜む時限爆弾。30日の定義を知っていますか?

生命保険の世界では、さらに深刻な告知のリスクが隠されています。ネット生保の多くが告知事項として掲げるのが、過去5年以内に、30日以上の期間にわたり診察・検査・治療・投薬を受けたかという項目です。

ここで多くの方が30回も病院に行っていないから大丈夫と判断してしまいます。しかし、多くの生命保険会社の告知実務では、たった1回の通院であっても、医師から継続的な観察を指示された時点で、その期間(次回の診察まで)がすべてカウントされます。1年に1回の経過観察であれば、それだけで365日間の指示期間とみなされるのです。

これを知らずに加入すると、いざという時に告知義務違反として契約を解除され、給付金は1円も出ません。ネットではこれを保険会社の詐欺だと騒ぐ人もいますが、実際には加入時の無知が招いた結果であることがほとんどです。

※実際の判断は保険会社や商品ごとに異なるため、加入前の個別確認が不可欠です。


AIには見えない、あなたの本当の意向

これからの時代、AIが自分に最適な保険を自動で選んでくれるようになると言われています。しかし、私はその未来に対して懐疑的です。なぜなら、人は自分自身の意向をすべて自分自身で理解できているわけではないからです。

AIは入力されたデータから最適解を出しますが、あなたが心の奥底で何に怯え、何を守りたいと願っているのかという、言語化されていない感情や価値観までを最終的に判断する責任は負えません。対話を通じて、あなた自身も気づいていなかった本当の望みを引き出し、それを形にする。それは、生身の人間であるプロにしかできない聖域なのです。


結局、保険は勘定ではなく感情で選ぶもの

私は昨年末、膀胱腫瘍が見つかり、生きた心地がしない時間を過ごしました。そのとき私を支えたのは、正しい告知に基づき、完璧に準備された保険があるという確信でした。もし自分の告知に不備があったら、あの大変な時期にお金の不安という地獄を上乗せすることになっていたでしょう。

保険料の数千円の差を惜しんで、数千万の安心をギャンブルにかけないでください。安さに飛びつく前に、プロの目による検証を受けるべきです。私があなたの勘定を精査し、あなたの感情が納得できる本物の備えをお手伝いします。