【実例あり】投資詐欺の手口をFPが解説|暗号資産で580万円被害…漫画家はなぜ止まれなかったのか

「これ、詐欺かもしれない…」と思いながら止まれなかった。

2025年4月、漫画「ナッちゃん」などで知られる漫画家・たなかじゅん氏が、暗号資産投資詐欺で583万2,000円の被害に遭ったことをXで告白しました。

「貯金すべて消えました」「もうダメかもしれません」──著名な漫画家でも、こうした詐欺に引っかかる。

読んだ人の多くは「自分なら気づく」と思うかもしれません。でも、たなか氏自身が「気づくポイントは何度もあった」と言っているんです。

では、なぜ止まれなかったのか。

ここがこの事件の核心で、FPとして一番伝えたいことです。

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手口の構造を整理する

今回の詐欺の流れを整理すると、以下のようになっています。

  1. 妻がXの広告で「自宅で数回入力するだけで副業」を発見
  2. 暗号資産(イーサリアム)の運用補助として毎日クリックする作業に参加
  3. 突然「イベント参加で5倍になる」という話が出てくる
  4. 100万円を投入 → その100万円が0円になる
  5. グループ代表が80万円を720万円に増やして見せる
  6. 引き出すには144万円の「技術料」が必要と言われる
  7. 生命保険を解約・借入で資金を工面
  8. さらに追加の手数料請求が続く
  9. 「国際弁護士費用」で違和感 → 詐欺と発覚

これは偶然ではなく、極めてよく設計されたシナリオです。

一度「損失」を体験させた上で、「取り返せる」という希望を見せる。この流れで判断力が鈍っていきます。

FP視点で見る「ありえない条件」

今回の話、数字だけ見ると明らかに異常です。

  • 80万円 → 720万円(約9倍)
  • 短期間での増加
  • リスク説明がない

金融の世界では、リターンが高いものは必ずリスクも高くなります。

仮に年利100%でも異常です。それが短期間で9倍という時点で、投資ではなく「仕組みそのものを疑うべき領域」です。

これは知識の問題というより、「判断基準を持っているかどうか」の問題です。

なぜ止まれないのか──心理構造

これは「騙された人が悪い」という話ではありません。

①サンクコストバイアス
すでに使ったお金を取り返そうとして、さらに投資してしまう心理です。

②確証バイアス
「詐欺かも」と思っても、「大丈夫な理由」を探してしまう。

③権威への服従
「代表」「弁護士」などの肩書きが判断力を鈍らせる。

④損失回避
「今やめたら損」という恐怖が、冷静な判断を奪う。

これらが重なると、違和感に気づいても止まれません。

チェックすべき危険サイン

  • 出金に条件や追加費用が必要
  • SNS広告経由の投資・副業案件
  • 短期間で高リターンを強調
  • 「今すぐ決断」を迫る

一つでも当てはまれば、基本は疑ってください。

被害に遭った場合の対応

  • 警察へ被害届
  • 消費生活センター(0570-064-370)
  • 金融庁相談窓口
  • 弁護士相談

時間が経つほど回収は困難になります。早期対応が重要です。

「自分は大丈夫」が一番危ない

今回の件で一番重要なのはここです。

詐欺は「知識がない人」だけが引っかかるものではありません。

むしろ、普通に生活している人が自然に引き込まれるよう設計されています。

お金の話で違和感を覚えたとき、相談できる相手がいるかどうか。

それが最大の防御になります。

今回のケースは「自分が騙される側」の話ですが、視点を変えると「親が被害に遭うケース」も同じ構造です。

実際に愛媛県では、80代女性が約12億円をだまし取られる事件も起きています。

高齢の親を守るための具体策はこちら

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今回のようなケース、「これ詐欺かどうか分からない」という段階で止めることができれば、被害は防げます。

・この投資話は大丈夫か
・保険を解約していいのか
・今の運用を続けていいのか

そういった判断のご相談も対応しています。

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