子育て・教育資金の贈与税非課税制度【2025年最新】2023年改正の変更点と注意点をFPが解説
こんにちは!橿原市のFP、金川です。
「親や祖父母からまとまったお金をもらって子どもの教育費や子育てに使いたい」という相談は多く受けます。実はこれ、一定の条件を満たせば贈与税が非課税になる制度が2つあります。
ただし2023年の税制改正で条件が厳格化されました。古い情報のまま手続きすると思わぬ課税が発生することも。最新情報で整理します。
制度は2種類ある
混同されやすいですが、似て非なる2つの制度があります。
| 制度名 | 目的 | 非課税上限 | 期限 |
|---|---|---|---|
| 教育資金の一括贈与 | 学校・習い事の費用 | 1,500万円 | 2026年3月31日まで |
| 結婚・子育て資金の一括贈与 | 結婚・妊娠・子育て費用 | 1,000万円 | 2025年3月31日まで※ |
※延長の可能性あり。利用を検討する場合は最新情報を確認してください。
① 教育資金の一括贈与(最大1,500万円非課税)
概要
祖父母・親(直系尊属)から30歳未満の子・孫への教育資金の贈与が、最大1,500万円まで非課税になります。金融機関に専用口座を開設し、領収書を提出して引き出す仕組みです。
使える費用の範囲
- 1,500万円まで:学校への入学金・授業料・給食費・修学旅行費など
- 500万円まで(上記の内数):塾・習い事・スポーツクラブなど学校以外の費用
2023年改正の主な変更点
- 所得要件の追加:受贈者(子・孫)の前年の合計所得が1,000万円超の場合は非課税対象外(2023年4月以降の契約分)
- 相続税の加算強化:贈与者が死亡した際の残額について、相続税の課税が強化された(孫への贈与でも相続税2割加算の対象になる場合がある)
- 使い残しへの課税:受贈者が30歳になった時点での残額や、死亡時の残額は贈与税または相続税の対象
注意:贈与者(祖父母など)が亡くなると、口座の残額が相続財産に加算される場合があります。「孫に贈与して相続税を減らしたい」という目的では使いにくくなっています。
② 結婚・子育て資金の一括贈与(最大1,000万円非課税)
概要
直系尊属から18歳以上50歳未満の子・孫への結婚・子育て資金の贈与が、最大1,000万円まで非課税。こちらも金融機関での専用口座管理が必要です。
使える費用の範囲
- 結婚費用(300万円まで):婚礼・引越し費用など
- 子育て費用(残枠):妊娠・出産・産後ケア・子の医療費・保育料など
2023年改正の主な変更点
- 所得要件の追加:受贈者の前年の合計所得が1,000万円超は非課税対象外
- 残額への相続税課税:贈与者死亡時の残額は相続税の対象(2割加算も適用)
2つの制度、使うべきか?FPの本音
FPとして正直に言うと、この制度を積極的に勧めるケースは限られます。
理由は3つです。
① 手続きが面倒:専用口座の開設・領収書の提出・残額管理など、手間がかかる
② 相続対策としての効果が薄れた:2023年改正で贈与者死亡時の残額課税が強化され、「孫に非課税で資産移転」という使い方がしにくくなった
③ 年間110万円の暦年贈与でも十分な場合が多い:毎年少しずつ贈与する方がシンプルで使い勝手がよい
それでも使いたい場面
- 祖父母が高齢で、まとまった教育費を一気に渡したい
- 子・孫の教育費が確実に1,000万円以上かかる見込みがある
- 贈与者の資産が多く、相続税対策の一環として検討している(専門家と連携前提)
まとめ:利用前に確認すべき3点
- 受贈者(子・孫)の所得が前年1,000万円以下か
- 贈与者が高齢の場合、死亡時の残額課税リスクを理解しているか
- 暦年贈与や相続時精算課税との比較検討をしたか
贈与・相続の戦略は家族の資産状況・年齢・税率によって最適解が変わります。「非課税だから使えばいい」という判断は危険です。まずはFPや税理士に相談することをお勧めします。
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この記事を書いた人
かながわFP相談所
AFP2級FP技能士宅地建物取引士二種証券外務員
奈良県橿原市の独立系FP。外資系生保・乗合代理店・不動産会社での実務を経て独立。特定の保険会社・金融機関に属さない中立的な立場から、保険見直し・NISA・住宅ローン・ライフプランニングなど家計全般のご相談に対応。IFAとして資産運用アドバイスも行っています。
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