ドラえもんのひみつ道具を使ったら法的にどうなる?FPが5つの道具で本気考察

ドラえもんの道具、実は「法律的にアウト」なものが多い

このブログでは、アニメや漫画・ゲームの世界をFP視点で考察する「空想おかねシリーズ」を不定期でお届けしている。今回の題材はドラえもんだ。

子どもの頃、「どこでもドアがあったらなぁ」と思ったことのある人は多いはずだ。

でも大人になって改めて考えると、あの道具たちは結構ヤバい。のび太が何の気なしに使うひみつ道具も、現実世界の法律に当てはめると損害賠償・刑事責任・税務申告の嵐になりかねない。

FPという立場で「もしこの道具が実在したら」を本気で考えてみた。笑いながらも、最後は「保険って大事だな」と感じてもらえれば御の字だ。

①どこでもドア ── のぞき見は不法行為、でも保険は使えるか?

どこでもドアの最大の問題は「どこにでも行けてしまう」ことだ。

のび太がしずかちゃんのお風呂に迷い込む場面は原作でも何度も描かれている。あれを法律的に整理すると、プライバシー権の侵害・不法行為(民法709条)に該当する可能性が高い。故意でなくても「通常なら入れない場所に侵入した」事実は変わらない。

しずかちゃん側からすれば、慰謝料請求も十分あり得る話だ。

ここで個人賠償責任保険の出番か、と思うかもしれないが、実は難しい。

個人賠償責任保険は「日常生活における偶然の事故」が対象だ。故意・意図的な行為は免責になるケースが多い。のび太本人は「覗くつもりはなかった」と主張するだろうが、繰り返し発生しているなら「故意に準じる」と判断されかねない。

現実の話をすると、個人賠償責任保険は火災保険や自動車保険の特約として付いていることが多い。月数百円で数億円まで補償されるコスパ最強の保険だが、免責事項や重複保障の注意点はきちんと確認しておきたい。

②ソノウソホント ── 嘘でついた契約、取り消せるか?

「ソノウソホント」は、嘘を本当のことにしてしまう道具だ。

これを使って「このマンションは新築です(嘘)」と言えば、それが本当になる。相手はその言葉を信じて契約する。

現実に引き戻すと、これは詐欺による意思表示(民法96条)に当たる。詐欺で締結した契約は、取り消すことができる。

ただし取り消しには時効がある。詐欺と知った時から5年、または行為から20年で消滅する(民法126条)。道具の効果が永久に続くなら発覚が遅れるかもしれないが、それでもいつかは時効にかかる。

保険の世界でも同じ話がある。告知義務違反・不実告知で結んだ契約は取り消しや解除の対象になる。「知らずにサインしていた」「説明と違った」という相談は、FPのもとに実際によく届く話だ(金融トラブルの実例と対策)。

③もしもボックス ── 「もしも懸賞に当たったら」は一時所得になる

もしもボックスは「もしも〇〇だったら」という世界を作れる道具だ。

哲学的すぎるのでもっと現実に寄せると、「もしも懸賞に当選したら」という世界で実際に当選金が発生した場合、一時所得として課税対象になる。

一時所得は特別控除が50万円あり、残りの半分が課税所得になる仕組みだ。宝くじは実は非課税だが、懸賞当選・競馬の払戻金・保険の一時金などは基本的に一時所得に区分される。

臨時収入が入ったとき、「確定申告が要るのか要らないのか」を判断できるかどうかで手取りが変わる。意外と見落とされやすいポイントだ(一時所得が発生する意外なケースも参照)。

④タケコプター ── 現代なら完全に航空法アウト

頭につけて空を飛べるタケコプター。子どもの憧れの道具No.1と言っても過言ではない。

しかし現実世界で同じことをやろうとすると、即座に航空法に引っかかる。

2022年の改正航空法から、有人飛行に近い装置への規制は強化されている。住宅地の上空飛行・150m以上の高高度飛行・夜間飛行・空港周辺の飛行などは原則禁止か許可申請が必要だ。

仮に許可なく飛んで誰かにぶつかった場合、損害賠償は免れない。民法709条の不法行為責任だ。この場合は「偶然の事故」として個人賠償責任保険が使えるケースがある。

スポーツ中の事故・子どもの自転車事故なども個人賠償責任保険でカバーできる。「うちには関係ない」と思っている人ほど、一度保険証券を確認してほしい。

⑤桃太郎印のきびだんご ── 動物に危険な仕事をさせたら動物愛護法違反か

これが今回一番のネタだ。

食べさせた動物が言うことを聞くようになる桃太郎印のきびだんご。犬・猿・キジを連れて鬼退治に向かわせる、あのシーンだ。

これを現実の法律に当てはめると、動物愛護管理法が問題になる。同法では動物への虐待・不適切な使役を禁じており、意思なく危険な場所へ連れて行くことは「不適切な使役」として問題になり得る。罰則は懲役または罰金だ。

さすがにFP的な損得で語るには無理のあるネタだが、「知らずにやっていたことが法律に触れる」という構図は実生活でもある。

契約書をよく読まずにサインする、保険の告知を正直に書かない、副業収入を申告しない。悪気なくやってしまいがちな行動が、あとで大きなリスクになることがある。

まとめ:ひみつ道具が教えてくれるリスク管理

    • どこでもドア ── 個人賠償責任保険の免責条件を確認しよう
    • ソノウソホント ── 契約内容の説明と告知は正確に
    • もしもボックス ── 臨時収入は確定申告が必要なことがある
    • タケコプター ── 事故を起こしたとき払える準備があるか
    • 桃太郎印のきびだんご ── 知らずに法律に触れていないか、定期的に見直す

「こんな道具ないし」と笑い飛ばしながら読んでほしいが、根っこにある話は現実と地続きだ。

個人賠償責任保険が自分の契約に入っているかどうか、今すぐ確認できるだろうか。意外と「入っているかどうかわからない」という人が多い。

もし気になったら、一度FPに相談してみてほしい。

かながわFP相談所

この記事を書いた人

かながわFP相談所

AFP2級FP技能士宅地建物取引士二種証券外務員

奈良県橿原市の独立系FP。外資系生保・乗合代理店・不動産会社での実務を経て独立。特定の保険会社・金融機関に属さない中立的な立場から、保険見直し・NISA・住宅ローン・ライフプランニングなど家計全般のご相談に対応。IFAとして資産運用アドバイスも行っています。

▶ プロフィール・保有資格の詳細はこちら

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

日本語が含まれない投稿は無視されますのでご注意ください。(スパム対策)