日経平均6万5000円。NISAで今買うべきか、FPが本音で答える

日経平均株価が6万5000円を超えた過去最高値圏でのNISA投資戦略を解説するアイキャッチ画像。スマートフォンを持つビジネスパーソンと、NISA積立の好調を示す株価チャートのイメージ。

「7万円も視野に」というニュースを見て、どんな気持ちになったか。

高揚感がある人、焦りがある人、そして「今さら乗り遅れた」と感じている人。

2026年5月25日、日経平均株価が6万5000円を超えて過去最高値を更新した。

こういうときに決まって増える相談がある。

「今からNISAで買っても大丈夫ですか?」

結論から言う。積立NISAなら今すぐ始めていい。一括投資を考えているなら、少し落ち着いて考えてほしい。その理由を説明する。

「高値で買うのは怖い」その感覚は間違っていない

最高値付近で買うことへの抵抗感は、投資家として正常な反応だ。

安く買って高く売るのが投資の基本なのだから、最高値に近いところで買うことへの警戒心はむしろ健全といえる。

実際に過去、日経平均が高値圏にあったときに一括投資して、その後の下落で含み損を抱えた人を何人も見てきた。「やっぱり投資は怖い」と言って積立を止めてしまったケースも少なくない。

だから「高値だから慎重になる」という直感は、正しい部分がある。問題はその先の行動だ。

タイミングを計ろうとすると、永遠に買えない

「もう少し下がったら買おう」と思った経験はないか。

下がったとき——まだ下がるかもしれないと思って買えない。上がったとき——高値掴みが怖くて買えない。横ばいのとき——動きがないからまだいいかと後回しにする。結果、ずっと買えない。

これは意志が弱いとか、勉強不足とか、そういう話ではない。人間は「損をしたくない」という感情が「得をしたい」という感情よりずっと強く働くようにできている。だからタイミングを計ろうとすると、ほぼ確実に動けなくなる。

FPとして正直に言うと、「完璧なタイミング」を待ち続けて機会を逃した人の方が、高値で始めて長期で持ち続けた人より、損をしているケースの方が多い。

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積立投資において「最高値」はそれほど重要ではない理由

毎月一定額を積み立てる場合、今日の株価が最高値かどうかは、長期的にはそれほど影響しない。

たとえば毎月3万円を積み立てるとする。今月は6万5000円の高値で買う。来月は6万円に下がっているかもしれない。再来月は6万8000円になっているかもしれない。積み立て続けることで、買値は自然と平均化されていく。

「最高値に全額ぶつける」とは、まったく話が違う。

積立投資で一番もったいないのは、高値を気にして始めるのを先延ばしにすることだ。時間は取り戻せない。複利は早く始めるほど効いてくる。これが積立投資の本質だ。

積立NISAをまだ始めていないなら、今の株価を気にするより「始めていない時間」を気にした方がいい。

一括投資を考えているなら、これだけ注意してほしい

積立と違い、まとまったお金を一度に投資する「一括投資」は話が別だ。

高値圏での一括投資は、その後に大きな下落が来たとき、含み損の金額が大きくなる。精神的なダメージが判断を狂わせることがある。「やっぱりやめればよかった」と損切りして、結果的に損が確定する——このパターンは実務でよく見る。

対処法のひとつは、全額を一度に入れず数回に分けて買い付けることだ。たとえば300万円を投資するなら、100万円ずつ3ヶ月に分けて入れる。完璧ではないが、最高値に全額ぶつけるリスクは下げられる。

「何が正解か」より「後悔しない選択をするにはどうするか」。これが一括投資の判断軸になる。

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結論:積立は今すぐ、一括は落ち着いて

FPとしての立場を明確にしておく。

積立NISAをまだ始めていない人は、今すぐ始めた方がいい。すでに積立をしている人は、何もしなくていい。一括投資を検討している人は、金額と分散のやり方を整理してから動いてほしい。

「今が最高値だから買うな」とは言わない。でも「株価が上がっているから急げ」とも言わない。

以前、日経平均が急落したとき「NISAを売るべきか」という記事を書いた。あのときの結論は「売るな」だった。今回の結論は「焦るな」だ。

市場は上がる。市場は下がる。どちらも必ず来る。そのどちらが来ても動じないような設計を、あらかじめ作っておくこと。

新NISAは暴落・戦争で売るべき?日経平均急落時に慌てないための資産防衛術【FP解説】

自分のNISA設計が「これでいいのか」と気になったら、一度話を聞かせてほしい。

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この記事を書いた人

かながわFP相談所

AFP2級FP技能士宅地建物取引士二種証券外務員

奈良県橿原市の独立系FP。外資系生保・乗合代理店・不動産会社での実務を経て独立。特定の保険会社・金融機関に属さない中立的な立場から、保険見直し・NISA・住宅ローン・ライフプランニングなど家計全般のご相談に対応。IFAとして資産運用アドバイスも行っています。

奈良・橿原でFPとして活動を始めて8年。2025年に二度の手術を経験し、病室で痛感したことがあります。人は心身が揺らいだ瞬間、どれほど知識があっても正しい判断ができなくなるという現実です。数字の正解より、迷った瞬間に隣で一緒に地図を広げる存在でありたい。

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