食料品の消費税が1%になったら家計はどう変わる?FPが本音で解説
「食料品の消費税が下がるらしい」というニュースを見て、素直に喜んだ人はどれくらいいるだろうか。
私はFPとして、このニュースを見た瞬間に「で、実際いくら得するの?」と思った。
今日はその計算と、FPとして気になっている「その裏」の話をしたい。
何が変わろうとしているのか
高市首相は当初、食料品の消費税を2年間ゼロにするという公約を掲げていた。ところが政府内では、レジなどシステムの準備期間を考えると現実的ではないという慎重論が出て、現在は8%から1%への引き下げ案が有力になっている。
つまり「ゼロ公約が1%に後退した」という話だ。6月中に最終判断が下される見込みとのことだ(2026年5月時点)。
まだ決定ではない。この点は押さえておいてほしい。
実際いくら得するのか
軽減税率の対象となる飲食料品は現在8%。これが7%になる。
総務省の家計調査によると、2人以上の世帯の食料品への月間支出は平均8万円前後だ(年度により変動)。
8万円 × 1% = 800円 / 月、年間で約9,600円。
これが実感値だ。
「思ったより少ない」と感じた人が多いと思う。正直に言うと、私もそう思う。ゼロになった場合は月6,400円・年間7.7万円の試算が出ているので、1%案ではその8分の1程度の恩恵になる。
FPとして気になる「その裏」
ゼロ案では年間4〜5兆円規模の税収減になると試算されていた。1%案ならその規模は大幅に小さくなる。
ただし財源論が曖昧なまま進んでいることは変わらない。
過去の経験則で言うと、一方で減税をしながら、別のところで社会保険料や別の税負担が増えるという「合わせ技」が起きやすい。「食料品が安くなった」と喜んでいる間に、医療費の自己負担割合が上がったり、社会保険料の計算方法が変わったりする可能性がある。家計全体で見ないと、本当に「得したのかどうか」はわからない。
浮いたお金、どうするか
仮に1%案が実施されて月800円浮いたとして、それをどう使うかで話が変わる。
コンビニで使い切るなら年間9,600円が消える。インデックスファンドの積立に回すなら、長期で運用益を積み上げていける。
800円という金額は小さく見えるが、毎月確実に浮く固定費の削減だ。固定費削減と長期投資の組み合わせが、家計改善の基本だということを改めて思う。
→ NISA貧乏の正体|「とりあえずNISA」で家計が破綻する理由と回避策
まとめ
食料品の消費税1%引き下げ案は、実施されれば家計に月800円前後のプラスになる見込みだ。
ただし「ゼロ公約が1%に後退した案」であり、まだ決定でもない。財源の問題も未解決だ。
政府が何かをくれるのを待つより、今ある家計を自分で設計する方が確実だ。800円でも1000円でも、毎月の使い方を変えることの方が長期的な家計に与えるインパクトは大きい。
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かながわFP相談所(奈良県橿原市)は保険・NISA・住宅ローン・ライフプランを中立な立場でサポートする独立系FPです。橿原市・奈良市・大和高田市・桜井市など奈良県全域+全国オンライン対応。
この記事を書いた人
かながわFP相談所
AFP2級FP技能士宅地建物取引士二種証券外務員
奈良県橿原市の独立系FP。外資系生保・乗合代理店・不動産会社での実務を経て独立。特定の保険会社・金融機関に属さない中立的な立場から、保険見直し・NISA・住宅ローン・ライフプランニングなど家計全般のご相談に対応。IFAとして資産運用アドバイスも行っています。
奈良・橿原でFPとして活動を始めて8年。2025年に二度の手術を経験し、病室で痛感したことがあります。人は心身が揺らいだ瞬間、どれほど知識があっても正しい判断ができなくなるという現実です。数字の正解より、迷った瞬間に隣で一緒に地図を広げる存在でありたい。
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