マイホームを買う前に、ハウスメーカーのFPに相談してはいけない理由
「まずFPに相談してみてください」
ハウスメーカーのモデルルームで、そう言われたことがある人は多いはずだ。一見、親切な提案に見える。でも少し立ち止まって考えてほしい。そのFP、誰の味方なのだろうか。
住宅展示場でFPに相談した結果、「年収から考えると3800万円まで借りられますよ」と言われてそのまま契約。毎月の返済が思ったより重くて、子どもの教育費や老後資金が後回しになる。このパターンは珍しくない。
問題は能力ではない。構造の問題だ。
ハウスメーカーのFPは「あなたのFP」ではない
ハウスメーカーや工務店が紹介するFPの報酬構造を考えてみる。
彼らはハウスメーカーから報酬をもらっている、もしくはハウスメーカーと深い提携関係にある。つまり「家が売れること」がゴールになっている。
あなたが家を買えば買うほど、彼らの評価が上がる。これを利益相反という。
「借りられる額」を最大化するのが彼らのミッション。「借りていい額」を判断するのは、いつの間にかあなたの仕事になる。
もちろん全員がそうとは言わない。誠実なFPもいる。ただ、構造がそうなっている以上、中立な判断は期待しにくい。
独立系FPに先に相談する、たった一つの理由
独立系FPは特定のハウスメーカーや金融機関と利害関係がない。あなたが家を買っても買わなくても、FPの収益は変わらない。
だからこそ「やめておいた方がいい」と言える立場にある。
「今の収入と家族構成では、今は買い時ではない」「この物件の価格は相場より割高だ」「変動金利のリスクを考えると、頭金をもう少し貯めてから動いた方がいい」
こういうことを、しがらみなく言えるのが独立系FPだ。ハウスメーカーのFPには、なかなか言えない言葉でもある。
FP兼宅建士が加わると、何が変わるか
FPは家計・資金計画のプロだ。ただし不動産取引そのものは専門外のことが多い。
一方、宅建士は不動産取引のプロだ。重要事項説明ができる。物件の相場観、契約書の落とし穴、売主との交渉の読み方も分かる。ただし、資金計画は専門外のことが多い。
この二つを一人が持っていると何が変わるか。
「この物件、価格は適正か」という宅建士の視点と、「この物件を買った後の家計はどうなるか」というFPの視点が、同時に動く。
マイホームの失敗には二種類ある。「買ってはいけない物件を買う」失敗と、「買えない額で買う」失敗だ。両方を同時に防げるのが、FP兼宅建士に相談する意味だ。
マイホーム購入の流れ、FP兼宅建士目線で整理する
ステップ① 資金計画(ここが最初でなければならない)
「いくら借りられるか」ではなく「いくらなら借りていいか」を決める。手取り収入・家族構成・教育費・老後資金を総合的に見て、無理のない住宅ローン額を出す。
ここをスキップして物件探しから入ると、後で後悔する確率が上がる。
自分の安全圏がいくらか、まずは試してみてほしい。
▶ 住宅ローン安全圏シミュレーターを使ってみる
ステップ② 物件探し
資金計画で上限額が決まったら、物件を探す。
注意点がひとつある。不動産会社は手数料が高い物件を優先して紹介しやすい。「この条件ならこちらの方がいいですよ」という言葉の裏に、そういう事情が絡んでいることもある。
中立な宅建士がいると、こういう動きを見抜きやすくなる。
ステップ③ 住宅ローン事前審査
物件を絞ったら、住宅ローンの事前審査に進む。複数の金融機関に審査を出すのが原則だ。ハウスメーカー提携の銀行一択にすると、比較ができなくなる。
ステップ④ 売買契約・重要事項説明
ここが宅建士の本領発揮だ。重要事項説明書には、素人には読みにくい条件が並んでいる。告知事項の範囲、瑕疵担保責任の内容、引き渡し条件。
「とりあえずハンコを押してしまった」では取り返しがつかない。納得できるまで確認してから署名するのが鉄則だ。
ステップ⑤ 住宅ローン本審査・決済・入居
本審査が通れば、決済・引き渡しへ進む。金消契約の内容は改めて確認しておきたい。
ステップ⑥ 購入後のお金を設計する
家を買った後も、お金の問題は続く。固定資産税(年間10〜20万円が目安)、修繕費の積み立て(月1〜2万円は最低限必要)、火災保険・地震保険の見直し。
入居前に設計しておかないと、後から慌てることになる。
モデルルームに行く前に、一度相談してほしい
数千万円の判断を、利益相反のある人にゆだねる必要はない。
かながわFP相談所では、独立系FP兼宅建士として、住宅購入前の資金相談と、信頼できる不動産会社へのご紹介に対応している。奈良県橿原市を中心に、オンライン相談も可能だ。
「まだ検討段階」でも構わない。むしろそのタイミングの相談が、いちばん意味がある。
この記事を書いたFPに直接相談できます
かながわFP相談所(奈良県橿原市)は保険・NISA・住宅ローン・ライフプランを中立な立場でサポートする独立系FPです。マイホーム購入前の資金相談・信頼できる不動産会社のご紹介も対応しています。橿原市・奈良市・大和高田市・桜井市など奈良県全域+全国オンライン対応。
この記事を書いた人
かながわFP相談所
AFP2級FP技能士宅地建物取引士二種証券外務員
奈良県橿原市の独立系FP。外資系生保・乗合代理店・不動産会社での実務を経て独立。特定の保険会社・金融機関に属さない中立的な立場から、保険見直し・NISA・住宅ローン・ライフプランニングなど家計全般のご相談に対応。IFAとして資産運用アドバイスも行っています。
奈良・橿原でFPとして活動を始めて8年。2025年に二度の手術を経験し、病室で痛感したことがあります。人は心身が揺らいだ瞬間、どれほど知識があっても正しい判断ができなくなるという現実です。数字の正解より、迷った瞬間に隣で一緒に地図を広げる存在でありたい。
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