出生数67万人の衝撃。教育費準備は学資保険かNISAか?FPが考える最適解

2025年の日本国内の出生数は約67万1,000人。
10年連続で過去最少を更新し、少子化はいよいよ他人事ではなくなってきました。
子どもの数が減れば、教育費も安くなる。そんなイメージを持つ方もいるかもしれません。
しかし実際の家計相談では、そうした実感を持つご家庭はほとんどありません。
私立志向の高まりや習い事の多様化、ICT機器の普及などにより、子ども一人あたりにかける支出は決して小さくないからです。
「子どもは減っているのに、教育費はあまり軽くなった気がしない」そんな声は今も少なくありません。
塾や習い事、タブレットやパソコン、スマートフォン、部活動の遠征費など、現代の子育てではお金の使い道そのものが多様化しています。
そんな中でよくいただくのが、「学資保険とNISA、どちらで教育資金を準備すればいいですか?」というご相談です。
今回は独立系FPの視点から、学資保険とNISAの比較を交えながら、教育資金準備の考え方を解説します。
現代の教育費は「大学費用」だけじゃない
教育費というと、「18歳までに300万円〜500万円を準備する」という話を耳にすることがあります。もちろん大学費用は大きな支出です。しかし実際の家計相談では、それより前の段階で教育費負担が重くなるケースも少なくありません。
- 中学受験対策の塾代
- 英語やプログラミングなどの習い事
- スマホやパソコンなどのICT機器
- 部活動の遠征費
- 修学旅行や研修費
大学資金だけを目標に貯蓄していると、中学・高校時代の支出増加によって家計が苦しくなり、結果として大学資金を取り崩してしまうこともあります。
だからこそ教育資金準備では、「いつ必要になるかわからないお金」という視点も重要です。
学資保険とNISAつみたて投資枠、何が違うのか
ジュニアNISAは2023年末で終了しました。そのため現在は、親名義のNISAつみたて投資枠を教育資金準備に活用する家庭も増えています。
2024年から始まった新NISA制度では、非課税保有期間の無期限化や制度の恒久化など大きな改正が行われました。教育資金や老後資金など、長期の資産形成手段として活用されるケースも増えています。
一方で、教育資金準備の定番といえば今も学資保険です。それぞれの特徴を整理すると次のようになります。
| 比較項目 | 学資保険(商品によって異なる) | NISAつみたて投資枠(インデックス運用) |
|---|---|---|
| お金の引き出しやすさ | 低い(中途解約は元本割れの可能性) | 高い(必要な時に売却可能) |
| 増える可能性 | 契約時にほぼ決定 | 市場環境による |
| インフレ対応 | 弱い | 比較的強い |
| 万が一の保障 | あり | なし |
学資保険の強みは「確実性」です。親に万が一があった場合の保険料払込免除など、保険ならではの機能があります。
一方でNISAの強みは「柔軟性」です。必要になったタイミングで一部を売却し、教育費として利用できます。また、長期運用が順調に進んだ場合には、物価上昇への対応も期待できます。
FPとして考える現実的な答え
私自身は、「学資保険かNISAか」という二択ではなく、「学資保険もNISAも」という考え方を取ることが多いです。例えば、
- 大学入学時に必要となる最低限の資金は学資保険や預貯金
- 将来の上乗せ資金やインフレ対策はNISA
という組み合わせです。
教育資金は老後資金と違い、「使う時期が決まっているお金」です。大学入学直前に株式市場が大きく下落している可能性もゼロではありません。そのため教育資金のすべてを投資で準備するのは慎重に考えたいところです。
一方で、すべてを預貯金だけで準備すると、長期間の物価上昇に対応しにくい面もあります。だからこそ、確実性と成長性のバランスを取ることが大切だと考えています。
私自身は、教育資金の土台部分は学資保険や預貯金で確保し、余裕資金部分をNISAつみたて投資枠で運用する考え方が現実的だと考えています。
毎月いくら積み立てればいい?NISAシミュレーション
ここでは世界株式インデックスファンドなどへ積み立てた場合を想定し、年率5%で15年間運用できたケースを試算しています。
月1万円の場合
- 積立元本:約180万円
- 15年後の資産総額:約267万円
- 増加額:約87万円
高校・大学の入学金や、中学・高校時代の突発的な教育費への備えとして活用しやすい水準です。
月3万円の場合
- 積立元本:約540万円
- 15年後の資産総額:約802万円
- 増加額:約262万円
大学4年間の学費を視野に入れやすくなります。
月5万円の場合
- 積立元本:約900万円
- 15年後の資産総額:約1,337万円
- 増加額:約437万円
私立進学や留学、一人暮らしの費用まで含めて検討しやすい金額です。
※シミュレーションは一定の条件で行った試算であり、将来の運用成果を保証するものではありません。元本割れの可能性があります。
まとめ|少子化だからこそ教育費戦略が必要になる
子どもの数が67万人まで減少した日本では、「子ども一人にどれだけ教育資金を準備するか」がますます重要なテーマになっています。社会保障の負担が増していくこれからの日本において、子どもの教育費の準備はこれまで以上に戦略的な視点が求められます。
しかし、教育費準備に正解はありません。学資保険が向いているご家庭もあれば、NISAが向いているご家庭もあります。大切なのは、「我が家の場合どうするか」です。
教育資金だけでなく、住宅ローンや老後資金も含めて考えることで、本当に無理のない積立額が見えてきます。「我が家はどのくらい準備すればいいのか」そう感じた方は、一度ライフプラン全体から確認してみるのも良いかもしれません。
かながわFP相談所では、奈良県橿原市を拠点に全国オンライン相談にも対応しています。教育資金やNISAの活用方法についてお悩みの方は、お気軽にご相談ください。
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「毎月いくら積み立てるのが無理のないライン?」「ライフプラン全体のバランスを見てほしい」という方は、LINEからお気軽にどうぞ。奈良県橿原市から全国オンライン相談にも対応しています。

この記事を書いた人
かながわFP相談所
AFP2級FP技能士宅地建物取引士二種証券外務員
奈良県橿原市の独立系FP。外資系生保・乗合代理店・不動産会社での実務を経て独立。特定の保険会社・金融機関に属さない中立的な立場から、保険見直し・NISA・住宅ローン・ライフプランニングなど家計全般のご相談に対応。IFAとして資産運用アドバイスも行っています。
奈良・橿原でFPとして活動を始めて8年。2025年に二度の手術を経験し、病室で痛感したことがあります。人は心身が揺らいだ瞬間、どれほど知識があっても正しい判断ができなくなるという現実です。数字の正解より、迷った瞬間に隣で一緒に地図を広げる存在でありたい。
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