【公務員は太陽光売電も副業?】10kW以上は申請必要|20万円ルールと確定申告の落とし穴

こんにちは。奈良・橿原のFP、かながわFP相談所の金川です。
香川県の陸上自衛隊善通寺駐屯地で、自宅の太陽光発電による売電を無申告で行っていたとして戒告処分、というニュースがありました。
正直に言うと、最初に思ったのはこれです。
「え? 自分の家の屋根で発電して売ってるだけでしょ? メルカリみたいなもんじゃないの?」
でも、制度を整理すると、話は少し違います。
公務員はなぜ太陽光売電で処分されたのか
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公務員は原則として兼業(副業)が制限されています。
今回のケースでは、10kW以上の発電設備で売電を行っていたとのこと。一定規模を超えると、「継続的な収益活動」とみなされ、兼業扱いになる可能性があります。
ポイントは、「お金を得たこと」ではなく、継続的な収益活動を無申告で行ったことです。
公務員の場合、事前に所属組織へ申請し、承認を得る必要があります。今回はその手続きを怠ったことが問題になりました。
太陽光売電と公務員の副業規制(目安)
「どこからが兼業になるのか」を、規模でざっくり整理すると次のようになる。あくまで一般的な目安で、最終判断は所属先の規程による。
| ケース | 兼業規制上の扱い(目安) | ポイント |
|---|---|---|
| 自宅の屋根・10kW未満・余剰売電 | 承認不要とされることが多い | 自家消費が中心で事業性が低い(ただし所属先規程の確認は必要) |
| 10kW以上・全量売電など事業的規模 | 自営(兼業)として承認が必要になりやすい | 「継続的な収益活動」とみなされる |
| 相続・新築でついていた設備でも継続売電 | 規模により承認が必要な場合がある | 設備の由来でなく「継続収益かどうか」で判断される |
国家公務員は人事院規則、地方公務員は各自治体の規程で基準が定められている。今回の処分も「売電したこと」ではなく承認手続きを取らずに継続していたことが問題とされた。
メルカリとの違いはどこ?
「不用品を売るのと何が違うの?」と思われる方もいるでしょう。
違いは大きく2つあります。
- 一時的な売却か、継続的な収益活動か
- 設備投資を伴う事業性があるかどうか
太陽光発電は設備を設置し、電力会社と契約し、継続的に売電します。
税務や公務員規定の世界では、これは「事業性を帯びた収益活動」と判断されやすいのです。
会社員も無関係ではない
「公務員の話でしょ?」と思うかもしれませんが、会社員でも注意は必要です。
- 就業規則で副業が禁止・許可制になっていないか
- 太陽光や民泊など、継続収益型の活動をしていないか
副業解禁の流れはありますが、会社ごとにルールは違います。
まずは就業規則の確認が先です。
もう一つの落とし穴|副業20万円ルールの誤解
副業の話になると、よく出てくるのが「20万円までは確定申告不要」という話です。
確かに、給与所得者が副業で得た雑所得などが年間20万円以下であれば、所得税の確定申告は不要とされるケースがあります。
しかし、次の点は見落とされがちです。
- 住民税の申告は別途必要になることがある
- 20万円を超えれば確定申告が必要
- 無申告の場合、延滞税や加算税の対象になる可能性がある
「知らなかった」では済まされません。
なお、モノを売って得た利益は、継続的な副業とはまた別の扱いになります。生活用動産の売却は原則非課税ですが、1点30万円を超える貴金属・美術品・コレクションは課税対象です(ポケモンカードを売ったら税務署が来る?「30万円の壁」)。
「20万円ルール」の正しい理解(所得税と住民税は別)
| 税の種類 | 副業所得が20万円以下のとき | 注意点 |
|---|---|---|
| 所得税(確定申告) | 申告不要になる場合がある | 医療費控除・ふるさと納税等で確定申告をするなら、20万円以下でも副業分の申告が必要 |
| 住民税(申告) | 金額に関わらず申告が必要なことがある | 20万円ルールは所得税だけの話で、住民税には適用されない |
給与所得者で確定申告が必要になる条件は、国税庁のタックスアンサー「No.1900 給与所得者で確定申告が必要な人」で確認できる。
結論|副業は“始める前”に線引きを
今回のニュースを見て、「厳しいな」と感じたのは事実です。
でも、制度を冷静に見ると、線引きは意外と明確です。
- 継続的な収益活動かどうか
- 所属先の承認が必要かどうか
- 確定申告が必要な水準かどうか
副業は悪ではありません。
ただし、ルールを確認せずに始めると、後から痛い目を見るということです。
・自分の副業は申請が必要?
・売電は雑所得?事業所得?
・確定申告は必要?
こうした疑問がある方は、早めに整理しておくことをおすすめします。
※本記事は一般的な制度解説です。最終判断は所属先規定・税理士等専門家へご確認ください。
よくある質問(公務員の太陽光売電と副業)
Q. 自宅の屋根で余剰売電をする程度でも、公務員は処分されますか?
自家消費が中心で規模が小さい余剰売電は事業性が低いと見られやすいですが、絶対に問題ないとは言い切れません。国家公務員は人事院規則、地方公務員は各自治体の規程で基準が定まっており、判断は所属先の承認手続きに委ねられます。心配なら、始める前に所属先へ確認するのが確実です。
Q. 10kW以上だと必ず承認が必要ですか?
10kW以上の全量売電のような事業的規模は「継続的な収益活動(自営)」とみなされやすく、承認が必要になるケースが多いとされています。ただし最終的な線引きは所属先の規程と個別事情によります。今回の処分も「売電したこと」ではなく、承認手続きを取らずに続けていたことが問題とされました。
Q. 副業の利益が20万円以下なら、何もしなくてよいのですか?
いいえ。20万円以下で不要になり得るのは「所得税の確定申告」だけです。住民税は金額に関わらず申告が必要になることがあります。また医療費控除やふるさと納税などで確定申告をする場合は、20万円以下の副業所得も含めて申告する必要があります。
Q. 売電収入は雑所得ですか、事業所得ですか?
規模や事業性によって変わります。自家消費の余剰売電など小規模なものは雑所得、設備投資を伴い事業的規模で継続するものは事業所得と判断されやすくなります。区分によって経費や損益通算の扱いが変わるため、迷う場合は税理士に確認してください。
Q. 会社員(民間)は太陽光売電をしても問題ないですか?
公務員のような法律上の兼業制限はありませんが、会社の就業規則で副業が禁止・許可制になっていることがあります。継続収益型の活動は特に確認が必要です。まず就業規則を確認するのが先決です。
Q. 相続や新築でついていた太陽光設備でも申請が必要ですか?
「もともとあった」設備でも、継続的に売電して収益を得ていれば、規模によっては承認や申告の対象になり得ます。設備の由来ではなく「継続的な収益活動かどうか」で判断される点に注意してください。
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この記事を書いた人
かながわFP相談所
AFP2級FP技能士宅地建物取引士二種証券外務員
奈良県橿原市の独立系FP。外資系生保・乗合代理店・不動産会社での実務を経て独立。特定の保険会社・金融機関に属さない中立的な立場から、保険見直し・NISA・住宅ローン・ライフプランニングなど家計全般のご相談に対応。IFAとして資産運用アドバイスも行っています。
奈良・橿原でFPとして活動を始めて8年。2025年に二度の手術を経験し、病室で痛感したことがあります。人は心身が揺らいだ瞬間、どれほど知識があっても正しい判断ができなくなるという現実です。数字の正解より、迷った瞬間に隣で一緒に地図を広げる存在でありたい。
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