高額療養費 自己負担限度額シミュレーター|あなたの上限額はいくら?

「高額療養費があるから医療保険はいらない」——よく聞く話だが、その自己負担限度額が具体的にいくらなのか、自分の所得区分で計算したことがある人は少ない。
高額療養費制度の自己負担限度額は、加入している健康保険における所得区分によって5段階に分かれていて、しかも同じ区分でも医療費の総額によって金額が変わる。2026年8月の改正で、この上限額そのものも引き上げられた。
このツールでは、69歳未満の方を対象に、所得区分・その月の総医療費・直近12ヶ月の該当回数を入力すると、自己負担限度額の目安を計算できる。70歳以上の方は個人ごと(外来)と世帯ごとの二重の仕組みがあり、この計算方法は当てはまらないため対象外。
高額療養費 自己負担限度額シミュレーター(69歳未満)β版
2026年8月〜2027年7月の最新基準で計算
標準報酬月額が分からない場合の簡易判定
標準報酬月額は、原則として毎年の定時決定などにより決まる。簡易判定は現在の月収を使った概算であり、実際の所得区分と異なる場合がある。住民税非課税世帯(区分オ)はこの判定に含まれない
会社員・被用者保険の場合は、標準報酬月額をもとに所得区分が決まる。分からない場合は上の簡易判定を使うか、年収目安で選んでOK。実際の標準報酬月額は勤務先や加入している健康保険に確認すること
「総医療費」は保険適用前の総額(10割)。窓口で払った額(3割等)ではない点に注意。「該当回数」は今回より前に高額療養費の対象になった月数(多数回該当の判定に使う)
2026年8月の改正で何が変わったのか
2026年8月から、69歳未満の全ての所得区分で月額の自己負担上限が引き上げられた。例えば年収約370万〜770万円の「区分ウ」は、80,100円から85,800円へ、約5,700円の増加になっている。
同時に「年間上限額」という仕組みが新設された。2026年8月から2027年7月までの1年間について、月ごとの自己負担額が積み上がり、所得区分ごとの年間上限額を超えた場合、その超過分については高額療養費として還付される仕組みだ。年間上限は、長期にわたって治療を続ける人の負担を抑えるための新たなセーフティネットとなる。ただし、年間上限に係る高額療養費の支給申請は2027年8月から開始予定(協会けんぽ発表・2026年9月時点)で、実際の申請時期・方法は加入している健康保険組合・協会けんぽ・市区町村国保に確認すること。
「高額療養費があるから保険はいらない」への注意点
- 高額療養費の対象は保険適用の診療費のみ。差額ベッド代・先進医療の技術料・入院時の食事代・交通費などは対象外で、全額自己負担になる
- 限度額は「1ヶ月(月初〜月末)」で区切られる。月をまたぐ入院は、それぞれの月で別に上限が計算されるため、合計の自己負担が想定より膨らむことがある
- 自己負担限度額そのものは、区分によっては数万円〜数十万円という、決して小さくない金額。この金額を貯蓄でまかなえるか、収入が止まっている間の生活費と合わせて備える必要があるかは、世帯によって答えが変わる
参考にした情報
※本ツールは一般的なケースの概算であり、限度額適用認定証の要否や世帯合算など個別の手続きには対応していない。正確な金額・手続きは加入している健康保険組合・協会けんぽ・市区町村国保に確認すること。
医療保険、この制度を踏まえて見直しませんか
高額療養費制度でカバーされる範囲と、されない範囲(差額ベッド代・先進医療・収入減)を整理した上で、本当に必要な医療保険の形を一緒に考えます。

この記事を書いた人
かながわFP相談所
AFP2級FP技能士宅地建物取引士二種証券外務員
奈良県橿原市の独立系FP。外資系生保・乗合代理店・不動産会社での実務を経て独立。特定の保険会社・金融機関に属さない中立的な立場から、保険見直し・NISA・住宅ローン・ライフプランニングなど家計全般のご相談に対応。IFAとして資産運用アドバイスも行っています。
奈良・橿原でFPとして活動を始めて8年。2025年に二度の手術を経験し、病室で痛感したことがあります。人は心身が揺らいだ瞬間、どれほど知識があっても正しい判断ができなくなるという現実です。数字の正解より、迷った瞬間に隣で一緒に地図を広げる存在でありたい。
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