60歳からの働き方と年金【2026年最新版】在職老齢年金の改正ポイントをFPが解説

「60歳以降も働くと年金が減るって本当?」「定年後の収入と年金、どう組み合わせるのが得?」——2022年の法改正で、60代の働き方と年金の関係が大きく変わりました。最新情報で整理します。

60歳以降の年金、3つの選択肢

60歳を迎えると、年金に関して以下の選択肢が生まれます。

  1. 60〜64歳で繰り上げ受給する(減額あり)
  2. 65歳から通常受給する
  3. 66〜75歳まで繰り下げ受給する(増額あり)

さらに、働きながら年金を受け取る場合は「在職老齢年金」の仕組みが関係してきます。

在職老齢年金とは【2022年改正で大幅緩和】

働きながら年金を受け取る場合、収入(賃金)と年金の合計額が一定基準を超えると、年金の一部または全部が支給停止になる制度です。

2022年4月の改正で60〜64歳の基準が大幅に緩和され、さらに2026年4月からは基準額が62万円へ引き上げられました。段階を追って見てみましょう。

時期支給停止基準(月額)
2022年3月まで(60〜64歳)28万円超で停止
2022年4月〜(年齢統一)47〜51万円超で停止(毎年度改定)
2026年4月〜(現在)62万円超で停止(大幅引き上げ)

※2026年4月施行の年金制度改正により、基準額は62万円になりました。超過分の半分が支給停止される計算式((総報酬月額相当額+基本月額−62万円)×1/2)は従来と同じです。最新情報は日本年金機構の公式サイトでご確認ください。

改正のポイント:以前は60〜64歳の基準が28万円と低く、少し稼ぐと年金が止まるため「働き損」と感じる方が多くいました。2026年4月からは月収と年金の合計が62万円を超えなければ満額受け取れるため、「年金が減るから働き控える」必要のある人は大幅に減っています。例えば月収40万円+年金月12万円(合計52万円)の方は、以前は一部停止でしたが現在は満額受給できます。

70歳までの就業機会確保が「努力義務」に

2021年4月施行の改正高年齢者雇用安定法により、企業に対して70歳までの就業機会確保が努力義務となりました。定年延長・継続雇用・業務委託など多様な形での就業機会提供が企業に求められています。

これにより、60代後半も収入を得られる選択肢が広がっています。

60代の収入と年金の組み合わせパターン

パターン①:65歳まで働き、65歳から年金受給

  • 最もシンプルな選択
  • 60〜64歳の在職老齢年金を気にせず働ける(繰り上げしなければ年金は動かない)
  • 退職金・企業年金がある方はこのパターンが多い

パターン②:60〜64歳も働きながら年金を受け取る(繰り上げ)

  • 収入が低めの再雇用の場合に有効
  • 在職老齢年金の基準(62万円・2026年4月〜)を超えなければ満額受給可能
  • ただし繰り上げ分の減額は一生続く点に注意

パターン③:働きながら年金を繰り下げる

  • 65〜74歳まで働きながら年金を繰り下げ、将来の受取額を増やす
  • 収入がある間は生活費を稼ぎで賄い、高齢期の生活保障を厚くできる
  • 健康で長く働ける方に向いている

加給年金を忘れずに

厚生年金に20年以上加入し、65歳時点で年下の配偶者(年収850万円未満)がいる場合、加給年金(年約40万円)が上乗せされます。

繰り下げ受給中は加給年金が支給停止になるため、配偶者がいる場合は繰り下げの損得を慎重に計算する必要があります。

まとめ:60代の働き方設計で押さえるポイント

  • ✅ 在職老齢年金の基準(62万円・2026年4月〜)を把握する
  • ✅ 加給年金の有無を確認する
  • ✅ 繰り上げ・繰り下げの損益分岐点を試算する
  • ✅ 退職金・企業年金との組み合わせを考える
  • ✅ 健康状態・家族の状況を踏まえた総合判断をする

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かながわFP相談所

この記事を書いた人

かながわFP相談所

AFP2級FP技能士宅地建物取引士二種証券外務員

奈良県橿原市の独立系FP。外資系生保・乗合代理店・不動産会社での実務を経て独立。特定の保険会社・金融機関に属さない中立的な立場から、保険見直し・NISA・住宅ローン・ライフプランニングなど家計全般のご相談に対応。IFAとして資産運用アドバイスも行っています。

奈良・橿原でFPとして活動を始めて8年。2025年に二度の手術を経験し、病室で痛感したことがあります。人は心身が揺らいだ瞬間、どれほど知識があっても正しい判断ができなくなるという現実です。数字の正解より、迷った瞬間に隣で一緒に地図を広げる存在でありたい。

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