【実体験】膀胱腫瘍で手術。良性でもFPが冷や汗をかいた「がん保険の現実」

【ご報告】膀胱の腫瘍を手術しました。結果は「良性」でしたが…

こんにちは。奈良・橿原のFP、金川です。

少し遅くなりましたが、皆様にあらためてご報告があります。
実は私、昨年の年末から年始にかけて、入院・手術をしておりました。

以前からお伝えしていた「右肩の手術(関節唇損傷)」とは別件です 。
年末のドタバタの中、膀胱(ぼうこう)に腫瘍が見つかり、その切除手術(TUR-Bt)を受けていたのです。

結論から申し上げますと、年明けに出た病理検査の結果は「良性腫瘍(乳頭腫)」でした。
がん(悪性)ではありませんでした。

「あぁ、よかった」

医師から結果を聞いた瞬間、全身の力が抜けました。
ですが、この「結果待ち」の間に私が感じた恐怖と、FPとして改めて突きつけられた「保険の現実」について、今日は少し正直にお話ししようと思います。


医師からの「ほぼクロ」宣告と、検索魔になった年末

手術自体は、内視鏡で行うもので、9日間の入院で無事に腫瘍を取り除くことができました。

しかし、本当に辛かったのは、術前の医師の言葉と、結果が出るまでの「空白の時間」です。

実は、手術前の段階で医師からはこう告げられていました。
「この場所にできる腫瘍は、経験上、ほぼ『膀胱がん』です」

「覚悟してください」とは言われませんでしたが、ニュアンスとしては「9割9分クロ(悪性)」という宣告でした。

「ああ、自分はがん患者になるんだ」

年末年始、世間はお祝いムードでしたが、私は完全に「がん患者」としての頭になっていました。
家族のこと、仕事のこと、家のローンのこと。
悪い想像はどんどん膨らみます。

伊達さん(サンドウィッチマン)の言葉に救われた

そんな恐怖の中で、私がむさぼるように検索して読み漁ったのが、同じ「膀胱がん」を経験された著名人の方々の体験談 でした。

特に、お笑い芸人のサンドウィッチマン・伊達みきおさんの体験談には、本当に救われました。
伊達さんもステージ1の早期発見で、内視鏡手術を受け、その後元気に復帰されています。

「痛くない血尿が出たらすぐ病院へ」
「早期発見なら怖くない」

伊達さんの前向きな発信や、同じ病気を克服されたブログ記事を読むことだけが、結果待ちの間の私の精神安定剤でした 。
(伊達さん、勝手ながら、あの時は本当にありがとうございました)

FPとして普段は「お金の備え」を説いていますが、いざ当事者になると「情報の備え(先輩患者の言葉)」がいかに心を 支えてくれるか、身を持って痛感しました。


「良性」と「悪性」の天国と地獄

さて、ここからはFPとしてのお金の話です。

今回、私の腫瘍は最終的に「良性」でした。
これにより、私の体は守られましたが、実は「保険金」の面では大きな違いが出ます。

もしこれが医師の予想通り「悪性(がん)」と診断されていたら?
私が加入しているがん保険から、まとまった額の「診断一時金(100万円〜)」が給付されていたはずです。

しかし、結果は「良性」。
当然ながら、がん保険の一時金は「0円」です。
(※通常の医療保険から、入院・手術給付金は出ます)

手術の痛みは同じ。入院した日数も同じ。
それでも、病理検査の顕微鏡レベルの判定ひとつで、受け取る金額に数百万円の差が出る。
これが保険の現実です。

なぜ、こんなに差があるのか?

「良性でも痛い思いをしたんだから、少しは出してくれよ」
人間心理としてはそう思いたくなります。

しかし、保険の設計思想(ロジック)は冷徹です。

  • 悪性の場合: 転移や長期治療のリスクがあり、最悪の場合は仕事ができなくなる(収入が減る)。だから、生活を支えるためのまとまった「生活防衛資金」が必要。
  • 良性の場合: 膀胱腫瘍の特性上、再発リスクはあり定期検査は欠かせませんが、基本的には都度の手術で対応でき、直ちに仕事や生活が破綻するリスクは低い。だから、「治療費」さえ賄えればOK。

保険タイプ別・診断結果ごとの給付金早見表

診断結果古いタイプ・格安保険手厚いタイプ
悪性腫瘍(浸潤がん)100万円100万円
上皮内新生物(初期がん)0〜10万円
(1/10給付が多い)
100万円
(悪性と同額)
良性腫瘍0円0円

※金額はイメージです。実際の給付額は契約の約款によって異なります。証券の「上皮内新生物」欄が「悪性腫瘍と同額」なら手厚いタイプ。「1/10給付」「別表参照」なら要注意です。

今回、私は「一時金」を受け取ることはありませんでした。
ただそれは、裏を返せば「深刻な就労制限がなく、今まで通り働ける状態」を手に入れたということでも あります。

FPとしては、これこそが最大の資産だと頭では理解しています。
(それでも、通帳を見ながら「もし出ていたら…」と一瞬考えてしまうのが、人間の弱いところですね笑)

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余談:バルーン(管)が地獄でした

ちょっと保険の話から逸れますが、今回の入院で一番キツかったこと。
それは手術そのものではなく、術後の「尿道カテーテル(バルーン)」の留置です。

経験された男性なら、首がちぎれるほど頷いていただけると思いますが、あれ、本当に地獄ですよね…。

管が入っている間は、常にトイレに行きたいような、何とも言えない不快感が24時間続き、夜もろくに眠れませんでした 。
寝返りを打つのも一苦労で、「早く抜いてくれ…」と何度天井に向かって祈ったことか。

管が抜けた瞬間のあの開放感。
「あぁ、普通にお手洗いに行けるって、こんなに幸せなことだったんだ」
と、健康のありがたみを別の角度から噛み締めた年始でした(笑)。

📄 実際にかかった医療費はいくら?
この手術でかかった費用の全明細と、「月またぎ入院」で自己負担が跳ね上がった罠は別記事で公開しています。
2ヶ月で2回の手術、52歳FPの家計簿。膀胱腫瘍の医療費公開と「月またぎの罠」の洗礼

あなたの保険、「上皮内新生物」はどうなっていますか?

話を戻します。
今回の経験で、皆様にどうしても確認してほしいことがあります。

それは、ご自身のがん保険が「上皮内新生物(初期のがん)」でも100%出るタイプかどうかです。

腫瘍の判定は、白(良性)と黒(悪性)だけではありません。
その中間のグレーゾーンとも言える「上皮内新生物(上皮内がん)」という段階があります。

古い保険や、一部の安い保険では、
「悪性なら100万円だけど、上皮内なら10万円(あるいはゼロ)」
という契約になっていることが多々あります。

「手術して、がんと言われたのに、保険金が全然出なかった!」
というトラブルの多くがこれです。

私は今回、自分がまな板の上の鯉になって初めて、
「約款(ルール)の一行が、人生の安心感をこれほど左右するのか」
と身震いしました。

【後日談】「良性」でも、新しい保険には入れない?

今回、良性判定を受けて真っ先に考えたのが「今のうちにがん保険を手厚くしておこう」ということでした。しかし、ここでもう一つの「現実」に直面しました。

私自身のネットワークを駆使して複数の保険会社にあたりましたが、多くの会社で「謝絶(お断り)」の見込みという回答だったのです。理由は、膀胱腫瘍の特性である「再発率の高さ」にありました。たとえ良性でも、保険会社から見ればリスクと判断されるのです。

「プロの自分でも、もう新しい備えは作れないのか…」と諦めかけましたが、執念で全社的な調査を行った結果、特定の条件において無条件で引き受けてくれるルートを見つけ出し、無事に加入することができました。

「持病や手術歴がある方」と一人で諦めないでください。引受基準は会社によって驚くほど異なります。もし、過去の病歴で加入を諦めている方がいれば、まずは個別にご相談ください。あなたの状況に合わせた「最新の基準」を一緒に探します。

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まとめ:元気なうちに「判定」の確認を

おかげさまで、現在は経過も良好で、右肩のリハビリと合わせて完全復活に向けて動いています。
ご心配をおかけしました。

病気は、なってからでは保険に入れませんし、契約内容を変えることもできません。
「良性でよかった」と胸をなでおろした私が言うのもなんですが、元気な今だからこそ、一度ご自身の証券を確認してみてください。

「私の保険、上皮内がんのときどうなるの?」
「良性の腫瘍でも手術給付金は出る?」

もし分からなければ、証券の写真を送ってください。
「いち患者」として、そしてバルーンの痛みを乗り越えたFPとして(笑)、今のあなたに必要な保障かどうか、忖度なしで診断します。

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かながわFP相談所(奈良県橿原市)は保険・NISA・住宅ローン・ライフプランを中立な立場でサポートする独立系FPです。橿原市・奈良市・大和高田市・桜井市など奈良県全域+全国オンライン対応。

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かながわFP相談所

この記事を書いた人

かながわFP相談所

AFP2級FP技能士宅地建物取引士二種証券外務員

奈良県橿原市の独立系FP。外資系生保・乗合代理店・不動産会社での実務を経て独立。特定の保険会社・金融機関に属さない中立的な立場から、保険見直し・NISA・住宅ローン・ライフプランニングなど家計全般のご相談に対応。IFAとして資産運用アドバイスも行っています。

奈良・橿原でFPとして活動を始めて8年。2025年に二度の手術を経験し、病室で痛感したことがあります。人は心身が揺らいだ瞬間、どれほど知識があっても正しい判断ができなくなるという現実です。数字の正解より、迷った瞬間に隣で一緒に地図を広げる存在でありたい。

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